フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。
会社員とフリーランスの現役パラレルワーカーの視点で、役立つ情報を分かりやすくご紹介します!
サラリーマンとして、働いている人の中には、フリーランスという自由な働き方に憧れている、実は興味を持っている、という人が多いのではないでしょうか?
現在の日本には、フリーランスとして働いている人が約1,100万人もいます。
そして、働き方改革の影響もあり、複業系パラレルワーカーや副業系すきまワーカーと呼ばれている、フリーランスが急増しているのです!
そこで今回は、「フリーランスとサラリーマンの違いやメリット・デメリット」について詳しく解説していきます!
これからフリーランスとして独立を考えている人は、必見のテーマなので、ぜひチェックしてください!
- フリーランスとサラリーマンの仕事や年収の違い
- フリーランスとサラリーマンの税金・社会保険の違い
- フリーランスとして独立する前にパラレルワークがおすすめ!
フリーランスとサラリーマンの年収を比較
自由な働き方ができるフリーランスに憧れはあるけど、収入が不安定だから不安、という人が多いですよね?
確かに、フリーランスは、自分で仕事を受注しなければならず、サラリーマンとは稼ぎ方が違います。
一方で、働き方しだいで桁違いの年収を稼ぎだせることもフリーランスならではの魅力です。
まずは、フリーランスとサラリーマンを働き方や年収などの視点で比較していきます。
フリーランス人口とサラリーマン人口を比較
日本全体の労働者の約16%がフリーランスとして働いています。
まだ、16%程度なので決して多くはありませんが、実は、5年で約20%もフリーランス人口が増加しているのです。
そう聞くと、フリーランス人口が急速に拡大していることが分かると思います。
フリーランス | サラリーマン | |
人口 | 1,087万人 | 5,659万人 (正規雇用:3,494万人) |
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2019年」
出典:ランサーズ「フリーランス実態調査2019年度」
フリーランスとサラリーマンの平均年収を比較
フリーランスは、いったいどれくらい稼いでいるのか、やっぱり気になりますよね?
ということで、フリーランスとサラリーマンの年収を比較しました。
平均所得を比較
まずは、国税庁のデータで、フリーランスとサラリーマンの年収・所得を比較してみました!
フリーランス (事業所得者) | サラリーマン (給与所得者) | |
平均所得・平均年収 | 平均所得 約417万円 | 平均年収 約440万円 |
出典:国税庁「申告所得税標本調査結果」
出典:国税庁「民間給与実態統計調査結果」
フリーランスの平均所得は、サラリーマンの平均年収と比較すると少し低いという結果です。
ただ、フリーランスは「所得」という点がポイントです!
フリーランスや個人事業主のような事業所得者は、青色申告や青色専従者給与の他、交際費を含めて様々な経費が認めれています。
つまり、フリーランスの実際の収入は、もっと高いということです。
次にご紹介する年収別の割合のデータを見ていただくと、フリーランスの方が年収が高いことが分かります。
年収別の割合を比較
以下は、国税庁のデータとフリーランス白書のデータを比較したものです。なお、データの出典が違うため、正確な比較にはなりませんが、年収分布の傾向は分かると思います。
フリーランス | サラリーマン | |
200万円以下 | 23.1% | 21.8% |
200万円超 400万円以下 | 26.6% | 32.4% |
400万円超 600万円以下 | 18.4% | 25.1% |
600万円超 800万円以下 | 12.4% | 10.9% |
800万円超 1,000万円以下 | 7.0% | 4.8% |
1,000万円超 2,000万円以下 | 8.2% | 4.4% |
2,000万円超 | 1.6% | 0.6% |
不明・無回答 | 2.7% | ― |
出典:フリーランス白書2019
出典:国税庁「民間給与実態統計調査結果」
年収1,000万円以上においては、フリーランスは、サラリーマンの約2倍の割合ということがわかります。
つまり、フリーランスの方が、稼げている割合が多い、ということです!
フリーランスには、有給や残業代、ボーナスがない!?
フリーランスになると、サラリーマン時代には当たり前だった
- 有給休暇
- 残業代
- ボーナス・賞与
が、なくなるので不安を感じているサラリーマンの方が多いようです。
しかし、視点を変えると、これはデメリットではありません!
まずは、以下のように考えることができます。
- サラリーマンと比較すると休暇は自由
- 働いた分だけ報酬が得られる(残業代よりも稼げる)
でも、そうは言っても有給休暇や 残業代、ボーナスがないから、やっぱりフリーランスの方が、リスクが高いと思われている方は、以下の質問をされてどう答えますか?
- 有給休暇は消化できていますか?
- サービス残業はしていませんか?
- ボーナスって必ずもらえるんですか?
そうです、これらの不安は、本当の意味で影響を受ける人は、かなり少ないのではないでしょうか。
とはいえ、フリーランスは、社会保障など不利な面があることも事実です!
次は、フリーランスとサラリーマンの社会保障や税金について、比較していきます。
フリーランスとサラリーマンの社会保障を比較
フリーランスとサラリーマンとの違いで、もっとも取り上げられるのが、この社会保障の保障の差です。
フリーランスは、すべて自己責任と言われるのも、この社会保障の差が要因の一つではないかと思います。
ただ、近年、日本で推進されている「働き方改革」の影響もあって、フリーランスの社会保障の手薄さを解消される動きがあります。
働き方改革がフリーランスに与える影響はこちらの記事をご覧ください!
この記事でわかること 働き方改革の背景と目的 働き方改革によってフリーランスが注目される理由 働き方改革がフリーランスに与える影響フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワ[…]
フリーランスとサラリーマンの社会保障制度を徹底比較!
それでは、フリーランスとサラリーマンの社会保障制度の違いについて説明します。
雇用に関する保障
フリーランスは、そもそも雇用されていないですし、雇用保険料も支払っていないので、残念ながら全ての給付を受けられません。
育児や介護は、日本社会の少子高齢化の問題であるにもかかわらず、フリーランスには、保障がないことで、よく問題として取り上げられています。
フリーランス | サラリーマン | |
失業手当 | なし | あり |
再就職手当 | なし | あり |
育児休業給付 | なし | あり |
介護休業給付 | なし | あり |
教育訓練給付 | なし | あり |
健康に関する保障
フリーランスが加入する国民健康保険とサラリーマンが加入する健康保険では、保障にかなりの差があります。
特に、フリーランスになって気をつけたいのが、傷病手当金という、いわゆる休業補償がないことです。
その他にも、保険料の負担は、フリーランスになると全額自己負担になり、さらに家族の健康保険も扶養制度がないため、全額自己負担になるため、総じて保険料の負担が高くなる傾向にあります。
フリーランス (国民健康保険) | サラリーマン (健康保険) | |
医療費の自己負担割合 | 1~3割 | 1~3割 |
高額療養費制度 | あり | あり |
傷病手当金(休業補償) | なし | あり |
出産手当金 | 出産一時金 | 出産一時金+出産手当金 |
育児休業期間中の保険料免除 | なし | あり |
保険料負担 | 全額自己負担 | 労使折半 |
扶養制度 | なし | あり |
年金に関する保障
年金は、老後や万が一の時の保障として非常に重要です。この重要な年金についてもフリーランスとサラリーマンで大きな差があります。
フリーランスには、厚生年金という年金の2階部分がないため、すべての年金保障が手薄くなります。
もちろん、サラリーマンは、厚生年金保険料を労使折半で支払っているから保障されるのであって、一概に不利益とは言えません。。
ですので、フリーランスは、自己防衛のためにiDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などの制度を活用していくことが必要です。
フリーランス | サラリーマン | |
老齢年金 | 基礎年金 | 基礎年金+厚生年金 |
遺族年金 | 基礎年金 | 基礎年金+厚生年金 |
障害年金 | 基礎年金 | 基礎年金+厚生年金 |
フリーランスとサラリーマンの税金を徹底比較!
同じ年収でも、フリーランスとサラリーマンでは、支払う税金に差があります。
それは、以下のとおりフリーランスとサラリーマンでかかる税金の種類が異なることと、控除の仕組みが若干異なるからです。
フリーランス | サラリーマン | |
所得税 | 対象 | 対象 |
住民税 | 対象 | 対象 |
個人事業税 | 対象外 | 対象(特定事業) |
消費税 | 対象外 | 対象(売上1,000万円以上) |
それでは、詳しく説明していきます。
所得税
所得税とは、1年間の収入から経費や各種控除を差し引いて残った「所得」に対してかかる税金のことです。
フリーランスは、必要経費と青色申告控除を差し引くことができますが、サラリーマンには、給与所得控除という特別な控除があります。
計算式 | |
フリーランス | {(収入-必要経費-青色申告控除)-各種控除-基礎控除}×累進税率 |
サラリーマン | {(給与収入-給与所得控除)-各種控除-基礎控除}×累進税率 |
給与所得控除
給与所得控除は、所得税の計算にあたって、サラリーマンが給与等の収入から差し引ける特別な控除です。
以下は、令和2年分以降の最新の給与所得控除額です。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 | 控除額試算 |
---|---|---|
180万円以下 | 収入金額×40%ー100,000円 550,000円に満たない場合は、550,000円 | 収入:180万円 控除額62万円 |
180万円超 360万円以下 | 収入金額×30%+80,000円 | 収入:360万円 控除額116万円 |
360万円超 660万円以下 | 収入金額×20%+440,000円 | 収入:660万円 控除額176万円 |
660万円超 850万円以下 | 収入金額×10%+1,100,000円 | 収入:850万円 控除額195万円 |
850万円超 | 1,950,000円(上限) | 収入:1000万円 控除額195万円 |
これを見て、どう思われますか?
給与所得控除は、フリーランスの事業活動で言うところの経費に相当する部分と言われています。
サラリーマンは、税金の計算上、フリーランスのような経費を計上できないから、このような制度ができた、とのことです。
実際に、税金額をシミュレーションして比較してみましょう。
シミュレーション1:必要経費なし
会社員
給与収入 | 500万円 |
---|---|
給与所得控除 | -144万円 |
社会保険料 | -70万円 |
配偶者控除 | 38万円 |
基礎控除 | 48万円 |
所得 | 200万円 |
---|
所得税 | 102,500円 |
---|---|
住民税 | 210,000円 |
フリーランス
事業収入 | 500万円 |
---|---|
青色申告控除 | -65万円 |
国保・年金 | -76万円 |
配偶者控除 | 38万円 |
基礎控除 | 48万円 |
所得 | 273万円 |
---|
所得税 | 175,500円 |
---|---|
住民税 | 283,000円 |
フリーランスは、必要経費が発生しない業務の場合、同じ年収でもサラリーマンよりも税金が高いことが分かります。
シミュレーション2:必要経費あり
会社員
収入 | 500万円 |
---|---|
必要経費 | ― |
給与所得控除 | -144万円 |
社会保険料 | -70万円 |
配偶者控除 | 38万円 |
基礎控除 | 48万円 |
所得 | 200万円 |
---|
所得税 | 102,500円 |
---|---|
住民税 | 210,000円 |
フリーランス
収入 | 500万円 |
---|---|
必要経費 | -100万円 |
青色申告控除 | -65万円 |
国保・年金 | -76万円 |
配偶者控除 | 38万円 |
基礎控除 | 48万円 |
所得 | 173万円 |
---|
所得税 | 86,500円 |
---|---|
住民税 | 183,000円 |
上記のケースでは、逆にフリーランスは、必要経費によって、税金を節税できることが分かります。
フリーランスなら、交際費をはじめ、自宅の家賃や住宅ローンの一部など、サラリーマンでも発生するようなお金でも、経費に計上できるので、賢く対策することで、手取り収入をアップできます。
住民税
住民税については、フリーランスとサラリーマンで税率や控除などに差はありません。
また、所得税のように所得によって税率が変わる累進課税とは違い、住民税の税率は一律10%です。
税率 | |
都道府県の住民税 | 4% |
都道府県の住民税 | 6% |
ですが、会社員時代とは、税金の徴収方法が異なるので注意が必要です。
徴収方法 | 概要・メリット・デメリット | |
フリーランス | 普通徴収 | 6月、8月、10月、1月の年間4回 |
| ||
サラリーマン | 特別徴収 | 原則として毎月給与から住民税から差し引かれる |
|
特に、気をつけたいのが、サラリーマンからフリーランスに転向するタイミングです。
特別徴収から普通徴収に切り替えることになるのですが、実は、退職時期によって納税方法が異なるので、注意しましょう!
退職時期 1月~4月 | 退職月から5月までの住民税を給与から一括徴収 |
---|---|
退職時期 5月中 | 5月分の住民税を給与から徴収 |
退職時期 6月~12月 | 翌年5月までの住民税を会社に一括徴収してもらうか、普通徴収に切り替える |
個人事業税
個人事業税は、地方自治体が定める法定業種に応じて3~5%の税率が課税されます。逆に考えると、業種によっては、非課税になる場合もある、ということです。
具体的には、年間の所得合計金額が290万円を超えるときに、課税されます。
税率については、東京都主税局「個人事業税」のページをご覧ください。
ココがポイント!
消費税
消費税は、法人や企業、自営店舗だけでなく、フリーランスにもかかることがあります。
具体的には、年間の合計収入(売上)は1,000万円を超えると、フリーランスでもあっても、消費税の納税義務が発生するのです。
ただ、実際に消費税の納税義務が発生するのは、1,000万円を超えた年から2年後からです。
ココがポイント!
フリーランスは消費税の確定申告は必要?フリーランスは消費税を請求できるの?インボイス制度は何か影響あるの?この記事をご覧になっているあなたは、消費税の確定申告について、気になっているのではないでしょうか?[…]
フリーランスになる前に収入安定のための複業・副業
フリーランスになれば、すべての人が高年収、自由な働き方を実現できるわけでありません。
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会社員からフリーランスとして独立するときには、健康保険や公的年金の切り替えや、個人事業主としての開業届を提出する必要があります。
- 健康保険の手続き
- 国民年金の鉄続き
- 個人事業主の開業届の提出
- 確定申告の準備
まとめ
今回は、フリーランスとサラリーマンの違いやメリット・デメリットついて、主に年収や税金、社会保障などの制度について説明をしてきました。
今後、働き方改革の影響でフリーランスとして働く人が急速に増加していくことは、まず間違いありません!
いきなりフリーランスとして独立しなくても、パラレルワーカーとして、フリーランス活動を始めてみてもいいと思います。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
それではまた!!!