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フリーランスになるなら開業届が必要って聞いたことあるけど、実際どうなの?
- 提出しないことで、何かデメリットがあるの?
- 開業届の書類は、どこで手に入れるの?
- 他の必要な書類は?
など、気になることが意外と多いのではないでしょうか。 そこで今回は、フリーランスの開業届のメリットや提出方法についてご紹介します。
フリーランスの開業届とは?何のために提出するの?
フリーランスにとっての開業届とは、個人事業主として開業したことを税務署に知らせるために提出する書類です。正式名称は「個人事業の開廃業届出書」です。 なぜ、税務署に提出するか? それは、フリーランスや個人事業主に正しく納税してもらうためです。もしくは、税務署が、個人事業主を把握するため、とも言えます。
開業届の提出は必須?ペナルティはあるの?
開業届は、税務署という公的機関の書類だから提出は必須、と思ってしまいますが、実は、開業届の提出は、必須ではありません。 なぜなら、収入があれば確定申告の義務があり、確定申告をしなければペナルティがあるからです。 では、何のために開業届の提出をするのか? それは、節税など、フリーランスにとって大きなメリットがあるからです。
フリーランスが開業届を提出するメリット
フリーランスが開業届を提出するメリットは以下の6つです。
- 青色申告で節税対策ができる
- 家族への給与を経費にできる
- 赤字の繰り越しができる
- 屋号で銀行口座が作れる
- 事業開始時から小規模企業共済に加入できる
それでは、詳しく説明していきます。
青色申告で節税対策ができる
青色申告特別控除
青色申告特別控除は、最高65万円もしくは10万円の所得控除を受けられる制度です。 フリーランスに関係する適用要件は、以下のとおりです。(税制改正で令和2年度から一部変更)
控除額 | 要件 |
---|---|
65万円 |
|
55万円 |
|
10万円 | 65万円控除の要件を満たさない場合 |
上記のとおり、青色申告特別控除によって、節税効果を得られるので、フリーランスにとって間違いなく必須の制度と言えます。
家族への給与を経費にできる
ほとんどのフリーランスは、個人で活動していると思います。 ただ、業務が忙しく、事務作業や経理処理、電話対応などを家族に手伝ってもらうこともありますよね? そんな時に、家族を「青色申告専従者」としておくと、家族に支払った給与を経費として計上できます。 ちなみに、経費に計上できる額は、以下のとおりです。
- 労務の対価として相当であると認められる金額
- 届出書に記載の方法・金額の範囲での支払うこと
- 過大な金額は必要経費にならない
そして、家族が青色申告専従者として承認されるには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
- 青色事業専従者給与に関する届出書の提出
- 青色申告者と生計を一にする配偶者などの親族
- その年の12月31日時点で年齢が15歳以上
- 青色申告者の営む事業にもっぱら従事
ポイントは、「もっぱら従事」という点です。 もっぱら従事とは、
- その年の半年よりも多く事業に従事していること
- または、従事できる期間のうちの半分より多いこと
なので、ようは働くことが可能な期間の半分を超えている必要がある、ということです。 青色専従者給与を利用するには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出しなければいけません。 「開業届」と「所得税の青色申告承認申請書」と一緒に提出すると良いのですが、実際には、家族が働き始めるタイミングで提出してください。
赤字の繰り越しができる
屋号で銀行口座が作れる
フリーランスは開業届で屋号を設定できます。 屋号とは、フリーランスにとっての会社名・店舗名のようなものなので、どのような事業活動をしているか、相手方はイメージしやすくなります。
フリーランスが屋号を設定することで、イメージだけでなく、以下のメリットが期待できます。
- 屋号が名刺や銀行口座にあると信用が得られやすい
- 領収書や銀行口座などの経理や管理が便利
- 法人名として引き継ぐこともできる
屋号について、詳しく知りたい人は、以下の記事でまとめた内容をご覧ください。
開業届の提出は必要なの?屋号とは?設定する必要やメリットはあるの?屋号を決める時の注意点は?この記事をご覧になっているあなたは、フリーランスは開業届や屋号について、気になっているのではないでしょうか?[…]
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事業開始時から小規模企業共済に加入できる
掛金は全額所得控除
課税所得 | 加入後の節税額 | ||
---|---|---|---|
掛金3万円 | 掛金5万円 | 掛金7万円 | |
400万円 | 109,500円 | 182,500円 | 241,300円 |
600万円 | 109,500円 | 182,500円 | 255,600円 |
800万円 | 120,500円 | 200,900円 | 281,200円 |
1,000万円 | 157,300円 | 262,200円 | 367,000円 |
フリーランスが開業届を提出する方法
それでは、最後に開業届の具体的な提出方法を説明します。
開業届の入手
開業届は、税務署や国税庁のホームページからダウンロードできます。 国税庁:申告所得税関係 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
開業届の提出先
開業届を提出するのは、居住地区を管轄する税務署です。
管轄の税務署がわからない場合は、国税庁のホームページからマップや郵便番号で絞り込むことができます。
開業届の提出タイミング
開業届の提出タイミングには、注意が必要です。
原則として、開業から1ヶ月以内に開業届を提出する必要があります。これは、所得税法第229条に記載されています。
開業届の記入内容
開業届に記入する項目は、以下の通りです。
記入項目 | 記入内容 |
---|---|
税務署名 | 提出先の税務署名を記入 |
納税地 | 自宅兼事務所(店舗)の場合は「住所地」に〇 |
上記以外の住所・事業所等 | 自宅と事務所が異なる場合に、その住所を記入 |
氏名・生年月日 | 事業主の氏名と生年月日 |
個人番号 | マイナンバー(マイナンバーカード・通知カード・住民票で確認可) |
職種 | 事業の職種(参考:日本標準職業分類|総務省) |
屋号 | 設定した場合に記入(参考:屋号のメリット・設定方法) |
届出の区分 | 開業を〇で囲む |
所得の種類 | 事業を〇で囲む |
開業・廃業等日 | 開業日を記入 |
所得税の青色申告承認申請書 | 一緒に提出する場合は、「有」にチェック |
消費税の課税事業者 | 消費税の課税事業者を選択しない時は、「無」にチェック |
事業の概要 | 事業の概要を記入 |
給与等の支払いの状況 | 青色事業専従者や従業員を雇用する予定があれば記入 |
源泉所得税の納期の特例 | 従業員がいない場合は、「無」、源泉徴収した所得税を年2回にまとめて支払う場合は、「有にチェック。」 |
提出後に不備などの連絡がない限り、個人事業主としての登録が終わったことになります。
開業届以外の書類準備
フリーランスとして個人事業主の開業届を提出するときに、開業届以外の書類を用意しておくとよいものがあります。
- 事業開始等申告書
- 所得税の青色申告承認申請書
- 青色事業専従者給与に関する届出書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 源泉所得税に納期の特例の承認に関する申請書
たとえば、確定申告で青色申告を利用したい場合は、「青色申告承認申請書」が必要です。
さらに、家族や専従者への給与支払いや経費化をしたい場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」も必要です。
家族以外でも給与支払いが発生する場合は「給与支払事務所等の開設届出」や「源泉所得税に納期の特例の承認に関する申請書」が必要となります。
いずれも税務署で入手できる書類ですので、迷った場合は税務署の担当者に質問すると良いでしょう。 青色申告承認申請書は、国税庁のホームページからダウンロードできます。 国税庁:申告所得税関係 所得税の青色申告承認申請手続
まとめ
今回は、フリーランスが開業届を提出するメリットや書き方、提出方法について解説しました。
フリーランスとして活動するためには、開業から1ヶ月以内に「開業届」を提出する必要があります。
未提出でも罰則等はありませんが、メリットがあるため、提出することをおすすめします!そして、開業届に記入する屋号についても事前に検討しておきましょう。
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