会社員は、副業ではなく複業をおすすめする3つの理由

「複業」という言葉の意味を知っていますか?「パラレルワーク」とも言い、複数の仕事を並行しておこなう働き方を指します。

今、会社員にはこの「複業」という働き方がおすすめです。

しかし「副業とは違うのか?」「どうして複業がいいのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。

今回はそんなあなたのために、複業(パラレルワーク)に取り組むべき理由を3つ紹介します。

「複業」と「副業」の違いは?

複業」とは、「パラレルワーク」とも呼ばれる働き方です。

ひとつの収入先に依存しない働き方のことであり、同時に複数の仕事に並行して取り組んでいる状態のことを指します。

一方「副業」とは、本職のサイドビジネスとしてのニュアンスが強い言葉です。

正社員をはじめとして、あくまでメインの仕事は別に持っている人が、サブ業務として取り組む仕事のことを指しています。

副業があれば「複業状態」になるわけではなく、あくまで別々の働き方・仕事そのものを表していると考えてください。

複業の注目度が上がっている

複業を取り入れた「パラレルキャリア」という考え方は、「マネジメント」の著者であるピーター・ドラッガーが提唱したものです。

彼は複業(パラレルワーク)について、以下のような考えを述べています。

『これからの社会に求められる人間のタイプは、自分に責任を持ち、特定の組織に依存しない人たちだ。そして、自分のキャリアは自分で決める人たちだ』

実際のところ、複業(パラレルワーク)に対する注目度は、日本国内でも年々増加傾向にあるのです。

具体的なデータを、いくつかピックアップして紹介しましょう。

(出典:Lancers https://www.lancers.co.jp/news/pr/14679/

上記画像は、2018年度版のフリーランス人口の内訳です。

「副業」人口の増加は、前年に比べて+4万人であるのに対し、「複業」人口の増加は、前年に比べて+14万人です。

複業(パラレルワーク)は、現在高い注目を集めており、選択する人が多い働き方でもあるのです。

(出典:Adeco https://www.adecco.co.jp/power-of-work/064.html

上記画像は、2018年に「今後、複業・副業をしてみたいと思うか?」というアンケートをおこなった結果です。

調査対象は「全国の企業もしくは団体に正社員として勤務する一般社員」であったため、半数以上の会社員が、複業(パラレルワーク)や副業に興味を持っていることがわかります。

(出典:Adeco https://www.adecco.co.jp/power-of-work/064.html

上記画像は、同じく2018年に会社員をターゲットにしておこなったアンケートの結果です。

「複業・副業が働き方の主流になることについて、どう思うか?」という質問に対し、80%以上が賛成している状態です。

多くの会社員が、複業(パラレルワーク)や副業に関して肯定的で、かつ自分も取り組んでみたいと思っているのです。

「複業」をおすすめする理由

それでは続いて、会社員に「副業」ではなく「複業」をおすすめする理由を紹介しましょう。

自分に合った働き方が見つかるから

複業(パラレルワーク)では、自分の働き方は自分で決めることができます。

副業では、週5日フルタイムで働き、就業後や休日に別の仕事に取り組むでしょう。仕事内容や仕事量はある程度調整できるものの、本業の会社に決められた働き方をベースにしなければなりません。

一方、複業であれば仕事内容や仕事量、出勤日や仕事場所も、自分の裁量で決められるのです。

得意な仕事に絞りやすい

会社員として働いていると、自分の得意なことだけではなく、苦手なことや気が載らない仕事も、大量にこなさなければならないことがあるでしょう。

複業の場合、そういった効率の悪い仕事を、最大限に減らすことができます。

自分が好きな案件や得意な案件を選びやすくなるので、効率良く稼ぎやすくなるとも言えます。特技を伸ばしやすくなるという魅力もありますし、好きなことだからこそ集中できることもあるでしょう。

また、嫌な仕事を避けやすくなるので、仕事のストレスが減るというメリットもあります。

場所や時間の融通が効く

仕事場所や時間の自由が効くのも、複業ならではの魅力ですね。

どのような条件下で働きやすいかは、人によって様々です。

在宅勤務の方が実力を発揮しやすい人もいれば、週1日はミーティングをおこなった方が働きやすい人もいるでしょう。育児や介護と両立するため、勤務日や場所が柔軟に調整できた方が良い人もいます。

会社員であれば、フレックス制度やリモートワーク制度がその手助けになります。とは言え、やはり限界はあるでしょう。自由度が高い社風であっても、複業ほど柔軟に働き方が調整できる企業は多くありません。

働き方の例

以下は、ピックアップした複業の事例です。

職種や仕事場所、日数などがバラエティに富んでいるでしょう。これだけ自由な選択が可能というわけです。

  • 例1:会計士(会計事務所/週3日)、財務(NPO/週2日)
  • 例2:エンジニア(IT企業/週4日)、フォトグラファー(在宅/週2日)
  • 例3:Webマーケター(IT企業/週2日)、Webマーケター(在宅/週2日)、ライター(在宅/週1日)
  • 例4:保育士(保育園/週5日)、経理事務(在宅/月3~4日)
  • 例5:営業(商社A/週2日)、営業(商社B/週2日)、営業(商社C/週1日)

ワークライフバランスも取りやすい

複業は、ワークライフバランスが取りやすい働き方でもあります。

前述したように働き方が柔軟に調整できるようになるため、無理なく働くことができるのです。

体調優先で働きたい人、育児や介護と両立したい人など、様々な事情を反映したパラレルキャリアが築けるでしょう。

自分の市場価値が上がるから

複業(パラレルワーク)として様々な仕事に取り組むことは、あなた自身の市場価値をアップさせることにも繋がります。

スキルアップのチャンスが増える

複業とは、言ってみれば、どの仕事も本業のようなもの。求められるスキルも高くなりますから、当然パフォーマンスも向上させなければ、ひとつひとつの案件に対応できません。必然的にスキルアップをせざるを得なくなるとも言えます。

自分に求められているものを的確に判断できるようになりますから、視野も広がります。

色々な案件をこなすうちに、知識も増えますし、責任感も強くなる傾向にあります。

関わる人も多くなるため人脈も広がるでしょう。様々なクライアントや経営者、同業者との接触を通じて、良い影響を受けることもできます。

多くの人と関わるうちに、「自宅」「会社」以外のサードプレイスを見つけるきっかけが見つかることもあります。価値観の創造や、自信の獲得にも発展していけるかもしれません。

新しい仕事にチャレンジできる

また、複業には新しい仕事にチャレンジしやすくもなるという魅力もあります。会社員が本業一本では経験できなかった分野に飛び込めたり、勉強をしたりするチャンスも増えるでしょう。

たとえば、「フリーの編集者として働いていたけれど、自分でライティングや撮影もおこなう必要が出て来たため、ライターやフォトグラファーとしてのキャリアも拓けた」という複業の事例があります。

前述しましたが、複業は自分のペースで働きやすいため、「ここに適性があるのでは?」と思った仕事に、フットワークを軽くして飛び込むことができます。新しい可能性を見つけたいときにも、複業は非常に便利なのです。

収入アップやキャリアアップにも繋がる

市場価値が上がるということは、収入アップキャリアアップにも繋がります。

総合的な実力が高い人ほど、より重要な案件は任されやすいでしょう。報酬も高くなりますし、良質なクライアントとも出会いやすくなります。

将来は起業を考えている人や、実力をつけてチャレンジしてみたい分野がある人などにも、複業は非常に適した働き方と言えるのです。

会社員の経験を活かせるから

複業(パラレルワーク)は、会社員として働いていた経験が活かせるという魅力もあります。

フルタイムで正社員をしていると、「副業」はどうしても選択肢が限られてしまいます。

稼働できる時間も少なくなりますし、曜日や時間帯も制限が大きいでしょう。会社員としての経験やスキルを活かせる副業は、決して多いとは言えません。

しかし、複業は会社員時代に培ったスキルや経験を、存分に発揮して働くことができるのです。

会社員経験を活かした事例

以下は、会社員の実績を複業に活かしている人の事例です。

  • 例1:会社員時代は営業職。退職し複業をはじめてから、は、複数のクライアント(企業)の営業代行をおこなうようになった
  • 例2:会社員時代は人事や労務、財務を担当。正社員から業務委託に切り替え、ビジネス塾で講師を始めた
  • 例3:会社員時代は事務職。出産を機に退職し、育児をしながら在宅で経理事務をおこなうようになった
  • 例4:会社員時代は正社員のエンジニア。複業に切り替えてからは、元の会社をはじめとした複数のクライアントで、週1~2日常駐するエンジニアに切り替えた
  • 例5:会社員時代はIT会社の広報職。複業に切り替えてからは、Webマーケターやフリーの広報担当として在宅業務をしている

これまでの経験を存分に活かしつつ、新しいことにもチャレンジできるようになれば、単純に仕事におけるコストパフォーマンスも上がります。

まとめ

今回の記事では、会社員に複業をおすすめする理由を3つ紹介しました。

「複業」は2つ以上の仕事を並行しておこなっている状態のこと。

「副業」は本業とは別に、サイドビジネスを持っている状態のことです。

会社員が「副業」ではなく「複業」に取り組むべき大きな理由は、以下の3つです。

  1. 自分に合った働き方が見つかるから
  2. 自分の市場価値が上がるから
  3. 会社員の経験を活かせるから

上記が満たされれば、最終的には、収入アップやキャリアアップなどの結果にも繋がるでしょう。

もちろん、ここで取り上げた以外にも、複業(パラレルワーク)には様々なメリットが期待できます。とは言え、いきなりフルタイムの会社員を辞めるのも大変なので、まずは副業として新しいキャリアを築きながら、安定したところで複業に切り替えるのもおすすめです。

あなたのペースで、あなたらしい働き方を手に入れてください。

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