フリーランス(個人事業主)が知っておきたい請求書の書き方と注意点を解説!

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フリーランスになると、毎月のように何通も請求書の作成して、発送しなければいけません。 おそらく会社員時代は、経理の人が作成していたので、いざ自分で作成しようと思ったら、

  • 請求書には正式な書き方があるのかな?
  • 請求書はいつクライアントに送付するの?
  • 請求書の書き方に注意点はあるの?

と、意外と知らないことが多いのではないでしょうか? 確かに、請求書には記載すべき事項や商習慣があるので、注意しておいた方がいいことがあります。 そこで今回は、フリーランスが知っておきたい請求書の書き方や注意点についてご紹介します。

この記事の結論・ポイント
  1. 毎月の締日や支払期日の記載がポイント
  2. 消費税率や源泉徴収税額の記載に注意
  3. 振込手数料の負担の有無の記載に注意

フリーランスにとっての請求書とは?

クライアントから依頼された仕事が完了したら報酬を請求するために請求書を提出しますよね? 実は、この請求書、支払をするためだけでなく、企業や個人にとって重要な会計書類なので、

  • 法人:7年間の保存義務
  • 個人:5年間の保存義務

があることを知っていましたか? また、フリーランスが発行した請求書も確定申告の証明書類として保存が義務付けられています

  • 青色申告:7年間の保管
  • 白色申告:5年間の保管

ということで、請求書はフリーランス・クライアント双方にとって重要な書類なので、しっかりと書き方や注意点を知ることは大切なのです!

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フリーランスの確定申告を解説!

フリーランスが記載すべき請求書の必要項目とは?

フリーランスは、請求書を確定申告の証明書類として保存しなければいけません。 ただ、保存するだけではなく、国税庁が請求書に記載すべき事項を定めているので、記載内容も重要ということです。

請求書に必要な記載項目
  1. 書類作成者の氏名又は名称
  2. 取引年月日
  3. 取引内容
  4. 取引金額(税込み)
  5. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

(引用:国税庁ホームページ「請求書等の記載事項や発行のしかた」) この記載項目は、消費税の仕入税額控除を受けるための必要項目なので、クライアントにとっては、かなり重要です。

小売業、飲食店業、写真業、旅行業等を営む事業者が交付する書類につきましては、5の記載を省略できます。

フリーランスが特に注意しておくべき請求書の項目

まずは、フリーランスが請求書を作成するときに、特に注意しておきたいポイントを解説しておきます。

請求書の発行日

請求書の発行日は、請求書の作成日ではなく、発注者(クライアント)の請求締日にすることが一般的です。 クライアントの請求締日を過ぎた発行日の請求では、翌月の受付になる可能性もあるので、注意してください。 なので、フリーランスは、契約締結のタイミングで請求締日を確認しておきましょう。 多くの場合、契約書に請求締日や支払サイクルについて記載されているので、迷ったら契約書を確認してみましょう。

振込手数料

振込手数料について、どちらが負担するのか、あらかじめ決めておきましょう。 なお、クライアントに負担してもらう場合は、請求書に記載しておくことで、認識の相違を防げます

源泉徴収税額

クライアントが法人の場合、フリーランスの報酬から、

  • 仕事内容が法律に定められたものは、必ず源泉徴収される
  • 法律に定められていない場合でも、会社によっては源泉徴収される

ということで、企業の対応によって源泉徴収の有無は異なるので、クライアントに確認しておきましょう。 ちなみに、源泉徴収が必須の仕事の報酬は、以下のとおり所得税法で定めれています。

  1. 原稿料、講演料、デザイン料など
  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等へ払う報酬
  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  4. プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル等に支払う報酬
  5. 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払われる報酬
  6. 宴会等で接待を行うコンパニオンへ支払われる報酬
  7. 契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

(出典:国税庁) 源泉徴収される場合は、源泉徴収税額と報酬から差し引くことを記載しておくとよいでしょう。

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消費税

フリーランスは、報酬に消費税を上乗せして請求できます。 請求書には、内税(消費税込)か外税(消費税別)か記載します。単価は、税抜きで記載して、小計した金額に税率を掛けて消費税を記載する方法が一般的です。 ただ、消費税には軽減税率(8%)があるため、どの項目に軽減税率が掛かっているのか分かるように記載しなければいけません。 軽減税率の対象は国税庁の資料をご覧ください。

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押印

請求書に印鑑の押印は、必要ありません。 ただ、日本の商習慣では押印がない請求書を受付けられない、という企業もあるので、押印しておいた方がいいでしょう。

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請求書を提出する方法は?

請求書の提出方法は、

  1. 郵送
  2. メール

の2つの方法があります。それぞれの提出方法について詳しく解説します。

郵送

日本の商習慣では、請求書は郵送で提出することが一般的です。 メールで送付したとしても、原本を郵送して欲しいと言われるケースが多いと思います。

請求書の封筒

請求書は、A4サイズの用紙に印刷して三つ折りにして封筒に入れます。 請求内容を内側にして折り込み、広げた時に請求書という表題が見れるように入れると良いです。 また、封筒に「請求書在中」とゴム印などで記載しておくと良いと思います。

請求書の送付方法

請求書の提出は、普通郵便やレターパックで送付するようにしましょう。 間違っても、送料が安いからとメール便を使用してはいけません。

請求書は信書に該当するので、メール便の送付はできません!

メール

最近は、請求書をメールで提出しても問題ない、というクライアントが増えています。 メールで送付する場合は、ファイルをPDFに変換したり、スキャンしたデータで送付しましょう。 ちなみに、メールなどの電子データによる請求書の送付について、国税庁のホームページには、以下のように記載されています。

「インターネットを通じて取引を行った場合には、請求書等に記載されるべき法定事項が通信回線を介してコンピュータ間で電子データとして交換されるため、請求書等そのものが作成・交付されないこととなり、当該電子データ以外の保存が行えない状況となりますが、これは、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由がある場合に該当するものと考えられます(基通11-6-3(5))。 したがって、帳簿に記載すべき事項に加えて、インターネットを通じた取引による課税仕入れであること及び課税仕入れの相手方の住所又は所在地を記載して保存する場合には、仕入税額控除の適用を受けることができます。」 (引用:国税庁:インターネットを通じて取引を行った場合の仕入税額控除の適用について

請求書の作成や管理にはクラウドサービスがおすすめ!

請求書は、書類の作成や管理だけでなく、捺印したり、PDF化のためにスキャンしてメールで送信したり、結構な手間がかかります。 一方で、ここ最近「見積書」や「請求書」・「納品書」などを作成・管理できる非常に便利なクラウドサービスが続々と登場しています。 クラウドサービスは、オンラインで必要項目を入力するだけで、

  • 書類の作成
  • システムで管理
  • 電子印鑑で捺印
  • メール送信

など、1つのツールでフリーランスに必要な書類を作成・管理できるので、メチャクチャ便利です!

フリーランスにおすすめのクラウドサービス6選

フリーランスの請求書の作成や管理におすすめのクラウドサービスは、以下の6つです!

クラウドサービス見積書
請求書
発注書
納品書
領収書
会計
連携
スマホ
対応
Misoca
freee
MFクラウド請求書
CLOUD PAPER
MakeLeaps×
みつもらー××

6つクラウドサービスの内容やクラウドサービスのメリットなどを解説した記事もあるので、合わせてご覧ください。

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請求書のテンプレートのダウンロードサイト

クラウドサービスの利用しない人もいると思います。 そこで、請求書などのビジネスに必要な各種テンプレートを無料で提供しているWebサービスやサイトをご紹介します。

豊富なテンプレートがあるので、デザインや使いやすさを見て選んでみてください!

請求書の提出に関するQ&A

ここまで、請求書の書き方や注意点について解説してきました。 最後に、請求書についてよくある質問についてQ&A形式でまとめしたので、チェックしてみてください!

発注者の敬称はどう記載するの?
企業・部署であれば「御中」、個人であれば「様」が適切です。 「〇〇会社御中 〇〇様」というような、敬称が二重になる書き方はしないので、注意してください。
請求番号は必要ですか?
番号を必須ではありません。ただ、取引先コードや請求書の発行コードなどの番号をつけることで管理しやすくなります。
押印はしなてもいい?
請求書への押印は必須でありません。ただ、押印を義務化しているクライアントもいるので、不安な場合は、押印しておく方がいいと思います。 なお、押印をすることで、請求書の改ざんを防止できる効果もあります。
入金額が間違っていたらどうする?
まずは請求額に間違いがないか確認しましょう。 納品内容と契約金額を確認して、入金額と請求書のどちらが間違っているのかを確認します。 数百円の誤差の場合、もしかすると前述した振込手数料の負担が異なっており、その分差し引かれている可能性があります。契約内容を確認しましょう。 それでも金額の不一致がある場合は、納品内容と請求内容、入金額をそろえて担当者に問い合わせをしてください。 確認が遅くなると、その分対処の手間や負担も増えてしまうため、入金されたら金額の不一致がないか早急に確認し、連絡も早めにおこないましょう。

まとめ

今回は、フリーランスが知っておきたい請求書の書き方や注意点について解説しました。

この記事の結論・ポイント
  1. 毎月の締日や支払期日の記載がポイント
  2. 消費税率や源泉徴収税額の記載に注意
  3. 振込手数料の負担の有無の記載に注意

フリーランスは、請求書の作成・管理・送信を1つのツールで実現できるクラウドサービスの利用がおすすめです! 今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

こーへい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! それではまた!!!