法人化するタイミングや基準はあるの?法人化のメリット・デメリットまとめ

フリーランスをしていて、「法人化」した知り合いはいませんか?

フリーランスで働いていると、しばしば「法人化」について意識するタイミングがあるでしょう。

しかし、実際に法人化することにはどのようなメリットが期待できるのでしょうか? また、デメリットはあるのでしょうか?

今回の記事では、フリーランスの法人化について、特徴や基準、タイミングなどを解説していきます。

将来的に法人化を検討していた人はもちろん、これまでは法人化に興味を持ったことがなかった人も、是非チェックしてみてください。

こーへい
法人化はメリットデメリットがあるので、要チェックです!
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  • フリーランスが法人化することで、節税効果や信用度アップなどさまざまなメリットが期待できる
  • 法人化にはデメリットもある。会社設立の手間や費用をはじめとして、法人の維持にも負担がかかる
  • 法人化をするタイミングは、利益や売上などを考慮して決めるべき

法人化のメリットとは?

まずは、フリーランスが法人化をするメリットについて解説します。

節税効果がある

フリーランスが法人化することによって、節税対策がおこなえます。

フリーランスの所得税は「累進課税」となっているため、所得が上がるほど税率もあがっていきます。

一方で、法人税、法人住民税、法人事業税は「実効税率」は34.62%。

年間の所得額によっては、法人化した方が納税額を抑えることができるのです。

また法人化することで、給与所得控除を受けることも可能になります。

フリーランスが自身を社長として、役員報酬を支給すれば、会社員のようなメリットも得られるわけです。

更に家族を役員にして給与を支払えば、給与所得控除による所得分散効果も期待できます。

消費税の負担も軽くなります。

フリーランスの場合、年間売上が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。

法人化すれば、会社設立の1期目と2期目は消費税の免税事業者になれるのです。

加えて、法人化されていれば赤字を最大9年間まで繰り越すことができます。

フリーランスの場合、赤字の繰り越しは青色申告をしていても最大3年までです。将来的な税金の負担額を抑えやすくなるでしょう。

そして、法人化していれば生命保険の経費化も可能です。

フリーランスの場合は、微々たる生命保険料控除のみにとどまってしまいますが、法人化されていれば半額から最大満額まで経費として処理できるのです。

多方面からの節税効果が期待できるというわけです。

社会保険に加入できる

健康保険や厚生年金などの「社会保険」は、法人化すると強制加入になります。この際、雇用人数の制限はありません。たとえひとりでも加入可能です。

フリーランスの場合、国民健康保険(国保)や国民年金を利用するのが一般的です。

しかし、社会保険の方が圧倒的に手厚いです。保険料は家族構成や所得によってケースバイケースですが、基本的に扶養家族が多いほど負担が軽くなるでしょう。

有限責任にできる

法人化すると「有限責任」という選択肢が取れるようになります。

これは事業における責任が、一定範囲のみに限定されるということです。

フリーランスの場合は「無限責任」であり、字義用における責任のすべてを負わなくてはいけません。

事業資金として融資を受けた場合、万が一事業が存続できなくなったとしても、借入額の責任は個人で負う必要があります。債務責任から解放されることはないので、個人財産を処分してでも、返済をおこなう義務が生じるのです。

一方、法人化しておけばこういったリスクは避けやすくなります。

万が一事業が存在できなくなっても、処分しなければならないのはあくまで法人財産のみ。債務の支払い責任が、個人の範囲まで及ぶことはないのです。

会社と個人をあくまで別の人格として取り扱うことができるため、出資範囲分のみの責任で済むというわけですね。

社会的信用度が上がる

フリーランスが法人化すると、「法人格」を取得することができます。

法律上で、権利や義務の主体となる権利能力が認められるようになるのです。

法人名義で銀行口座を開設したり、融資を受けられたりするようになりますし、事業所を借りることも可能です。

融資も得やすくなりますし、助成金の審査も通りやすくなるため、事業をより円滑かつ活発的におこいやすくなるでしょう。

そして、法人格を取得しているということは、社会的信用度が上がることでもあります。

法律的に権利能力が認められているというわけですから、事業者として一定の信頼価値があると受け止められるわけです。

企業によっては、個人とのやり取りはおこなわず、あくまで法人のみを取引先としているところもあります。法人化することによって、取引先が増やしやすくなるとも言えます。

求人を出す場合でも、フリーランスよりも法人からの募集の方が、人材も集まりやすいです。給与の支払いや社会保険などが安定しており、信用に値する仕事先だと思われやすいため、採用面におけるメリットもあるでしょう。

法人化のデメリットとは?

さまざまなメリットが期待できる「法人化」ですが、デメリットもあります。

具体的な内容を解説していきましょう。

法人化に手間や費用がかかる

フリーランスが法人化するためには、所定の手続きが必要です。

  • 公証人による定款の認証手続き
  • 法務局への登記書類提出
  • 税務署への法人設立届出書や青色申告の承認申請書の提出
  • 行政への法人設立届出の提出  など

また法人化には費用もかかります。最低でも、以下の費用は絶対に必要です。

  • 定款の認証費用:個人で約92,000円、専門家に依頼すると約52,000円
  • 登録免許税:15万円
  • 収入印紙代:40,000円
  • 資本金:会社による

このように、法人化にはある程度の手間や費用が発生してしまうのです。

会社の維持に手間や費用がかかる

法人格は、維持するためにも手間や費用がかかります。

たとえ何の活動もしていなくても、地方税として70,000円を納める必要があります。

毎年決算を組んで、法人税申告書を作成しなければなりませんし、会計手続きも複雑化します。

これらの手続きは税理士や公認会計士に委託することも可能ですが、費用は最低30万円ほどかかります。

株式会社化していれば、定期的な役員変更の登記も義務づけられています。決算期の3カ月以内に、株主総会や取締役会をおこなって、役員を選び直します。

事業内容や規模に応じ、法人を維持するために手間や費用がかかり続けるというわけです。

赤字でも税金負担はある

法人化していると、たとえ赤字でも一定の納税義務が生じます。

フリーランスの場合、赤字経営の差異は所得税や住民税が免除してもらえますが、法人住民税は赤字でも免除されません。

社会保険の加入が必須

フリーランスの場合は、雇用人数が5名以下の場合、社会保険の加入は義務ではありません。

しかし法人化において、社会保険への加入は義務となっています。たとえ社員がひとりだけの法人であっても、役員報酬の支給のために加入は欠かせないのです。

社会保険の負担は、会社と従業員で折半することになっています。そのため、税額により人件費のコストが上がってしまうという弱点もあるのです。

交際費が全額損金にできない

フリーランスの場合、事業に関連した交際費は、全額損金にできます。

しかし法人の場合、交際費のうち損金に算入できるのは、飲食費のみ50%までとなっています。資本金が1億円以下であれば、年間800万円までという上限が設定されているのです。

事業における交際費負担が大きい場合、法人化によって損金算入の割合が減ってしまうというデメリットがあるでしょう。

法人化にふさわしいタイミングとは?

フリーランスが法人化する(=法人成り)にもっとも適切なタイミングはいつなのでしょうか?

もちろん、具体的なタイミングや基準は事業者によって異なるのですが、今回は多くのフリーランスが目安にしているタイミングを紹介しておきます。

利益が500万円を超えたとき

法人化の判断基準として、「利益が500万円を超えている」というのはとてもメジャーです。

これは、利益が500万円を超えたあたりから、フリーランスでいる税率の方が高くなりやすいからです。

前述したように、フリーランスは累進課税となっているため、所得が上がるほど税負担も大きくなっていきます。法人化した方が税金の負担が軽くなりやすいでしょう。

売上が1,000万円を超えたとき

「売上が1,000万円を超えたとき」も、法人化に適切なタイミングです。

これは、フリーランスの売上が1,000万円を超えると消費税が課税されるからです。法人化けすることで、2期分の消費税免除という選択肢が取れるため、切り替えに向いているタイミングなのです。

まとめ

今回の記事では、フリーランスが法人化するメリットやデメリットについて解説しました。

法人化することで、高い節税効果や社会的信用度などのメリットが期待できます。

採用もしやすくなりますし、社会保険による恩恵も受けやすくなるでしょう。

一方で、法人化には手間や費用もかかります。

法人を維持するためには、会計や事務手続きも複雑になり、デメリットも少なくありません。

そのため、フリーランスが法人化をする際は、適切なタイミングを見定めるようにしましょう。

利益や売上を基準にしつつ、業界や業種ならではの特徴も考慮して、長期的な視点で法人化を考えるようにしてください。