フリーランス(個人事業主)が経費にできるもの・できないものは?【確定申告に備えて経費の知識を身につけよう!】

この記事でわかること
  1. 経費になる・ならないの基準
  2. 経費に計上できる費用と勘定科目
  3. 家事按分
フリーランスと会社員の現役パラレルワーカー「こーへい」

フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。

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フリーランスとして独立したら、「節税のために経費が落とせる」と聞いたことがあるので、気になっている人が多いのではないでしょうか?

とはいえ、経費の管理は、

  • 会計の知識がないけど大丈夫?
  • 複雑な計算や面倒な手続きは必要なの?

と、不安な気持ちでいっぱいだと思います。

そこで今回は、「フリーランスの節税に効果的な経費の落とし方」について詳しく説明します。

フリーランスにとって経費とは?

経費を理解し、上手に活用することは、フリーランスの事業活動によってとても重要です。

経費とは?

経費とは、「事業活動で収入を得るために必要な費用」のことです。

例えば、

  • 営業活動で移動に利用したタクシー代
  • 仕事の調査で購入した書籍代
  • 業務で使用するパソコンの購入費

などが経費に該当します。

フリーランスにとって経費は重要!

フリーランスは、毎年、確定申告を行い納税を行わなければいけません。

確定申告の際に、この「経費」を収入から控除することで、節税ができるので、「経費」は、とても重要なのです。

特に、「経費に計上できるのに知らなかった」、「領収書をもらい忘れた」などで、支払う必要のない税金をムダに支払っている可能性もあります。

フリーランスが経費について注意すべきこと

フリーランスが、経費について注意したいポイントを説明します。

経費に「なる」・「ならない」の基準

使った費用のすべてが経費になるわけではありません。

フリーランスが計上できる経費は、「事業に関係する費用」または「収入・売上に関係する費用」です。

経費の証明として領収書やレシートを保管

フリーランスなったら領収書やレシートをしっかり管理しましょう!

よく確定申告時に領収書の提出が必要と勘違いしている人が多いようですが、提出は不要です。

しかし、領収書やレシートは、

  • 確定申告の必要経費のチェック
  • 税務調査時の根拠・証明

など、とても重要なので、保管を徹底しましょう!

フリーランスになる前の領収書も経費にできる

フリーランスとして独立の準備中に、購入した備品や営業活動に使用した費用なども経費として計上できます。

  • セミナー・イベント参加費用
  • 営業活動に使った交通費
  • 名刺の制作費
  • ウェブサイトの制作費・サーバー代
  • パソコンやプリンターの購入費

なので、フリーランスとして独立前や独立準備中の領収書やレシートも保管しておきましょう!

フリーランスが経費に計上できる費用と勘定科目

フリーランスが、経費として計上できる項目について具体的な内容をご紹介します。また、青色申告のために帳簿をつけるために、勘定科目についても説明します。

まずは、一覧で全体像を把握してください。

勘定科目概要
地代家賃家賃・住宅ローン(事務所占有割合)
水道光熱費水道・ガス・電気(事務所占有割合)
通信費固定電話・携帯電話・インターネット・Wi-Fi
接待交際費打合せで利用した飲食費・カフェ
広告宣伝費名刺・ポスター・広告目的のイベント参加
旅費交通費電車・バス・タクシー・高速道路料金
車両費ガソリン代
研修費セミナー・研修参加費
新聞図書費書籍・新聞購入費
消耗品費文房具・プリンター用紙・プリンターインク
減価償却費10万円超のパソコン・車・デジタルカメラ
支払手数料振込手数料・税理士報酬・クラウド会計ソフト利用料
諸会費業界団体加盟料
給料賃金従業員の給与
外注工賃業務の外注費
租税公課税金(個人事業税・固定資産税・印紙税など)

それでは、詳しく説明していきます。

地代家賃

地代家賃は、自宅をオフィスとして利用している場合の家賃・住宅ローンの金利やレンタルオフィス、コワーキングスペースなど利用料です。

自宅をオフィスとして利用してい場合は、業務に利用している占有割合で家事按分しなければいけないので、注意してください。

業務上の移動で車を利用している人で、駐車場の料金がかかっている場合は、駐車場の料金も地代家賃として経費にできます。

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フリーランスの働く場所はどうする?

水道光熱費

電気・ガス・水道料金も経費として計上可能です。

自宅をオフィスとして利用している場合は、地代家賃と同様に家事按分した金額を計上してください。

ただ、自宅の場合は、ガス・水道料金は、私的利用の割合の計算が難しいので、基本的に電気料金だけ家事按分して計上することになります。

通信費

通信費は、固定電話・携帯電話・インターネット・Wi-Fiなどの通信にかかる利用料金です。

その他、ウェブサイト運営をしている人は、レンタルサーバー・ドメインなども通信費として経費にできます。

自宅オフィスでインターネットを共有している場合は、家事按分をしなければいけませんので、注意してください。

接待交際費

クライアントや取引先との飲食費用は、接待交際費として経費にできます。

一方で、フリーランスの接待交際費には計上できる上限がないので、税務調査で指摘が多い項目です。

プライベートの飲食代なのか業務上の飲食代なのか区別できるように、会食した営業先の名前や日時・場所を記録しておくとよいでしょう。

広告宣伝費

フリーランスとして仕事をする上で、制作する名刺やパンフレットの制作費は、広告宣伝費として経費にできます。

旅費交通費

電車・バス・タクシーなどの移動にかかる費用も経費にできます。

電車やバスは領収書をもらうことが少ないので、メモを取るか、定期的に利用明細を印字して管理しましょう。

また、出張や接待を目的とした旅行代も経費として計上可能です。

車両費

車を移動手段として利用している人は、ガソリン代を車両費として経費にできます。領収書やレシートを忘れずに保管しておきましょう。

研修費

スキルアップを目的としたセミナーや研修の参加料は、研修費として経費にできます。

研修費については、主催者から領収書を発行してもらい保管しておきましょう。

新聞図書費

業務に必要な書籍や新聞の購入費は、新聞図書費として経費にできます。ただし、自宅で利用している新聞は、対象外になるので、注意してください。

消耗品費

仕事に必要なメモ帳・ペンなどの文房具やプリンターの用紙・インク代は、消耗品費として経費にできます。

消耗品は、ネットショップ等で購入すること多いので、領収書を管理画面で発行してくれるサービスもあるので、事前に確認しておきましょう。

減価償却費

減価償却費とは、資産価値のある車やパソコンなどの購入費を耐用年数に応じて分割して経費に計上できる、ことです。

ポイントは、購入代金によって減価償却費の対象になるのか、消耗品費になるかです。

購入金額勘定科目
10万円以下消耗品費
10万円超減価償却費

減価償却費資産の耐用年数・償却率

項目耐用年数償却率
小型車4年25%
自動車6年16.7%
事務机・事務いす・キャビネット(金属)15年6.7%
事務机・事務いす・キャビネット(その他)8年12.5%
パソコン4年25%
カメラ・映像撮影機5年20%

一括償却資産とは?

取得価格が10万円以上~20万円未満のものは、「一括償却資産」として3年間で経費処理することもできます。

また、青色申告者の場合は、30万円未満のものであれば、一括でその年の経費にすることも可能です。

ただし、これは少額減価償却資産の特例といって、対象は、2022年3月31日までの間に取得したものに限られているので、注意してください。

支払手数料

購入代金を銀行振込で支払ときにかかる手数料や税理士に確定申告の手続きを依頼した時に支払う報酬などを支払手数料として経費にできます。

諸会費

業界団体や協会などの加盟料も諸会費として経費にできます。

ちなみに、フリーランス業界にも団体があるので、気になる人は、以下の記事をご覧ください。

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給料賃金

従業員がいる場合は、従業員に支払う給与を給料賃金として経費にできます。

店舗を持っている個人事業主の場合は、従業員を雇うことも多いので、給与明細などでしっかり管理するようにしましょう。

外注工賃

業務を外注するときにかかった費用を外注工賃として経費にできます。

IT・デジタル系のフリーランスは、プロジェクトチームを組んで仕事をすることも多いので、外注先からの請求書で管理しましょう。

租税公課

負担した税金は、租税公課として経費にできます。

フリーランスの経費に関係がある税金は、「個人事業税」、「固定資産税」、「不動産取得税」、「自動車税」、「登録免許税」「印紙税」などです。

なお、租税公課も事業用と個人用と併用しているものについては、家事按分が必要ですので、注意してください。

フリーランスが経費に計上できない費用

フリーランスが経費に計上できる費用について解説して来ましたが、逆に経費に計上できない費用についても解説しておきます。

  • 健康診断費用
  • スーツ・靴(作業着は経費OK)
  • 所得税・住民税
  • 国民年金・国民健康保険の保険料
  • 生命保険料
  • 事業と無関係の「飲食」・「贈答品」・「慶弔見舞金」
  • 家庭用の費用(家事按分で一部経費OK)
  • 敷金・保証金(資産として計上)
  • 交通違反等の罰金・反則金(業務上の駐車違反のレッカー代は経費OK)

上記以外にも、福利厚生費は経費に計上できるのか、よく質問されます。

福利厚生費は、会社が従業員に対して提供した福利厚生サービスや各種費用であれば計上可能ですが、 フリーランスは従業員はいないので、経費に計上できます。

フリーランスと福利厚生費・福利厚生サービスについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

家事按分とは?

ここまでフリーランスが経費として計上できる項目や勘定科目について説明してきました。

ただ、経費の中には、個人用と事業用を併用している場合は、「家事按分」といって事業に使用している割合を用いて経費を算出しなければいけません

この家事按分は、節税のためにもとても有効なのですが、明確な計算方法が示されていないので、これでいいのか?と不安になる人が多いと思います。

基本的には合理的な説明ができれば、経費として認められるので、以下の方法を参考にしてみてください。

地代家賃

地代家賃の家事按分比率は、「面積」または「使用時間」の2つの方法があります。

面積で計算仕事で利用するデスクや本棚などを設置した部屋の面積などで算出できます。
時間で計算駐車スペースは面積では算出できないので、業務時間の比率から駐車代金の比率を算出できます。

水道光熱費

水道光熱費の中でも電気代は、業務でも使用するため按分比率を知っておくとよいでしょう。

時間で計算業務時間の比率で電気代を按分できます。
コンセントの数業務で使用しているコンセントと全コンセントの割合で算出できます。

通信費

通信費は、使用日数や使用時間から計算できます。

時間で計算業務時間の比率で通信費を按分できます。
日数で計算業務日数の比率で通信費を按分できます。

領収書がない場合や紛失した場合はどうする?

フリーランスは、様々な経費を計上できますが、中には領収書がない場合があります。

領収書が場合は、出金伝票に記入することで経費に計上可能ですし、領収書を紛失した場合にも、出金伝票を活用することで、経費に計上できます。

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フリーランスの確定申告に備えて経費を管理

フリーランスは、毎年、確定申告をしなければいけません。

税理士に依頼すれば、面倒な仕訳や領収書などの管理・記帳代行をしてくれますが、少しでも経費を削減したい人は、自分で準備しなければいけません。

特にフリーランスは、開業届を提出するときに「所得税の青色申告承認申請書」を一緒に出すことで、65万円もの所得控除が利用できます。

ただし、利用には複式簿記で記帳した帳簿の提出が必要です。

青色申告に必要な帳簿は、慣れれば難しいものでありませんが、初めての人や苦手な人も多いと思います。

そこで、おすすめしたいのが、クラウド会計ソフトです。

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MFクラウド会計
クラウド会計ソフトfreee
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やよいの青色申告オンライン

ソフトの詳しい内容やサービス内容を比較した記事もあるので、気になる人は、ぜひチェックしてください!

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今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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こーへい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それではまた!!!