フリーランス(個人事業主)の廃業とは?廃業の原因と廃業しないための対策を徹底解説!

この記事でわかること
  1. フリーランスの廃業理由
  2. フリーランスが廃業しないために必要なこと
  3. フリーランスが廃業するときの注意点
フリーランスと会社員の現役パラレルワーカー「こーへい」

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高収入や自由な働き方に憧れてフリーランスになる人が多いようですが、実は、収入が不安定なので廃業率が高いことを知っていましたか?

また、稼ぐことを意識しすぎて体調を崩してしまい、残念ながら廃業してしまう、ということも十分考えられます。

フリーランスの開業については、「開業届の書き方や提出方法を解説!」で解説しましたが、実は、廃業にも申請や書類が必要なのです。

そこでは、今回は、

  • フリーランスの廃業理由
  • フリーランスが廃業しないための対策
  • 残念ながら廃業するときに必要書類や注意点

について、解説していきます。

これからフリーランスとして独立を考えている人は、対策についても説明するので、ぜひご覧ください!

フリーランスの廃業は多い?

残念ながら事業に失敗して、フリーランスを廃業する人は、かなり多いです。

なぜなら、フリーランスは、すべての業務を自分で行う必要があり、その責任もすべて自分で負うからです。

フリーランス・個人事業主の廃業率

中小企業白書によるとフリーランス・個人事業主の廃業率は、以下のとおりです。

  • 1年で37.7%
  • 3年で62.4%
  • 10年で88.4%

なんと、1年で30%以上、3年で60%以上も廃業しているのです。

また、開業から10年以上になると、生き残れるフリーランスは約10%だけ、ということになります。

フリーランスとして活躍し続けることの難しさの要因は、何のか気になりますよね?

次は、フリーランスの廃業理由について説明します。

フリーランスの廃業理由は?

フリーランスが廃業する理由は、やはり収入の影響が大きいと思われます。

フリーランスの平均年収のデータによると、4人の1人が200万円未満ということがわかります。

年収割合
200万円未満23.1%
200万円~400万円未満26.6%
400万円~600万円未満18.4%
600万円~800万円未満12.4%
800万円~1,000万円未満7.0%
1,000万円~1,200万円未満5.3%
1,200万円~1,500万円未満1.3%
1,500万円~2,000万円未満1.6%
2,000万円以上1.6%

(出典:フリーランス白書2019)

不安定な収入の要因は、以下の3つです。

  • 仕事が獲得できない
  • 仕事が継続できない
  • 案件の交渉ができない

それでは、詳しく見ていきましょう。

仕事が獲得できない

フリーランスは、営業、受注業務、事務作業をすべて一人で行わなければいけません

特に営業活動は、どれだけ頑張っても相手があることなので、不安定になりがちです。

仕事が継続できない

フリーランスとして安定的に収入を得るためには、継続的に案件を受注しなければいけません。

仕事が継続できないと、永遠に以下のループにハマってしまいます。

  • 仕事が継続できない
  • 仕事を探すための営業活動
  • 仕事を受注
  • 仕事が継続できない

引切り無しに案件が舞い込んでくるようなフリーランスであれば、問題はありません。

しかし、フリーランス白書によると、約70%のフリーランスが、

  • 知人の紹介
  • 過去・現在の取引先

から仕事を獲得しているため、継続できなくなると、途端に収入が途絶えてしまうのです。

特に、知人や過去の取引先の案件は、単発のものが多い傾向にあります。

独立当初は、知人や過去の取引先に頼ることもあるでしょう。しかし、何よりも継続しやすい案件や取引先を探すことが重要ということです。

案件の交渉ができない

フリーランスは、案件を発注してもらう立場なので、どうしても弱腰になりがちです。

そのため、

  • 営業先の無理な要求を断れない
  • 追加作業への請求ができない

など、しっかり交渉できないために、効率よく稼ぐことができないのです。

フリーランスが廃業しないために必要なこと

フリーランスが廃業せずに安定的に収入を得ることができるのでしょうか?

具体的には、次の4つがおすすめです!

  • フリーランスエージェントを利用する
  • マッチングサービスを利用する
  • スキルアップ・専門性の向上を図る
  • 複業・副業で安定収入の基盤を構築する
  • 人脈づくりとセルフブランディング

それでは、詳しく見ていきましょう。

フリーランスエージェントを利用する

フリーランスで安定的に仕事を受注するには、フリーランス専門のエージェントの利用がおすすめです。

フリーランスエージェントを利用するメリットは次の5つです。

  • 1. 安定的に仕事を受注できる
  • 2. 高単価の案件を受注できる
  • 3. 営業の時間が必要ない
  • 4. 面倒な事務手続きをサポート
  • 5. 福利厚生サービスを受けられる

まさに、安定を求めるフリーランスに必要なサービスと言えます。

もっと詳しい内容を知りたい人は、以前まとめた以下の記事をご覧ください。

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スキルアップ・専門性の向上を図る

スキルアップ・専門性の向上は、フリーランスとして活動し続けるために必要不可欠です。

会社員のように、「研修制度」や「OJT」など、わからないことを誰かが教えてくれる環境ではありません。

なので、簡単にできる仕事やスキルアップが見込めない同じような案件ばかりでは、いずれ市場のニーズに合わなくなり継続受注が難しくなります。

とはいえ、仕事を選り好みばかりしていては、受注できるものも、受注できません。

そこで、おすすめしたいのは、フリーランス向けのイベントやセミナーに積極的に参加することです。

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複業・副業で安定収入の基盤を構築する

フリーランスになれば、すべての人が高年収、自由な働き方を実現できるわけでありません

そこで、おすすめしたいのが、フリーランスになる前に複業・副業で生活費を稼げるくらいの仕事を獲得することです。

働き方改革の影響もあって、複業・副業の仕事や案件を紹介してくれるサービスがたくさん立ち上がっています。

パラレルワーカーズでは、複業・副業サービスについて日々調査をしています。参考になる記事をいくつかピックアップしたので、ぜひご覧ください!

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人脈づくりとセルフブランディング

とはいえ、フリーランスの仕事の受注先の多くは、人脈からです。

フリーランス白書によると、以下のとおり仕事の受注方法は、人脈80%取引先60%なので、関係ある会社や人からの紹介ということです。

また、SNSやWebサイトなど自分自身の広告宣伝活動も30%以上にも及んでいます。

人脈づくりもSNSなどの広告宣伝も、自分を磨き、しっかりセルフブランディングに力を入れることで魅力な人たちと出会えるチャンスにつながります。

仕事の受注方法割合
人脈・知人の紹介80.4%
過去・現在の取引先59.4%
自分自身の広告宣伝活動30.7%
求人広告11.9%
クラウドソーシング13.6%
エージェントサービスの利用12.5%
シェアリングサービス2.1%

(出典:フリーランス白書2019)

フリーランスの廃業に必要な書類

残念ながら仕事を受注するための努力を続けたけど、健康上の理由や家庭の事情により廃業を余儀なくされる方もいると思います。

そこで、フリーランスの廃業に必要な書類・手続きについて説明します。

必要な書類と手続きは、以下の5つです。

必要書類提出先期限書類
個人事業の開業・廃業等届出書税務署1ヶ月以内ダウンロード
事業開始(廃止)等申請書都道府県税事務所10日以内(東京)ダウンロード
所得税の青色申告の取りやめ届出書税務署翌年3月15日ダウンロード
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書税務署1ヵ月以内ダウンロード
事業廃止届出書税務署速やかにダウンロード

個人事業の開業・廃業等届出書

フリーランスが個人事業主を廃業する時に税務署に提出する書類です。廃業から1ヶ月以内に提出する必要があります。

事業開始(廃止)等申請書

個人事業税を管理する都道府県税事務所に提出する書類です。書類名や提出期限は、各都道府県で異なるので、事前に税事務所の公式サイトを確認してください。

所得税の青色申告の取りやめ届出書

青色申告の承認を受けているフリーランスは、廃業にあたって提出が必要です。なお、提出期限は、青色申告を取りやめる(廃業する)年の翌年3月15日までに税務署に提出します。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

給与を支払っている従業員がいる場合に提出する書類です。廃業から1ヶ月以内に税務署に提出する必要があります。

提出しないと、税金を多く支払うこともあるので、該当する人は必ず提出しましょう。

事業廃止届出書

消費税の課税事業者の該当する場合に提出する書類です。具体的な提出期限は設けられていないのですが、廃業したら他の書類と共に速やかに提出しましょう。

フリーランスが廃業するときの注意点

フリーランスの廃業は、自分で日にちを決めれるのですが、他に何か注意点はあるのでしょうか?

ポイントは、「確定申告」です!

個人事業税の対象職種に該当する場合は、事業所得控除の290万円は、月割りで控除されます。そのため、廃業するなら年末にすることで、控除を多く適用できます。

ただ、年末まで廃業を待つことが難しい人も多いと思います。その場合は、予定納税額の減税申請をしましょう。

フリーランスとして働くメリットは?

最後に、あらためてフリーランスとして働くメリットや魅力についてお伝えしたいと思います。

フリーランスとして働くメリットや魅力は、以下のとおりです。

  • フリーランスの年収は正社員よりも高い傾向にある
  • 自由な働き方やパラレルワークが実現できる
  • 人間関係によるストレスを軽減できる
  • ワークライフバランスが実現できる
  • ビジネススキルや技術力が向上できる

フリーランスのような自由な働き方は、サラリーマンからすると、とても魅力的です。

フリーランスとサラリーマンの違いやどっちがいいのか徹底的に比較した記事があるので、フリーランスに不安を感じている人は、ぜひチェックしてみください!

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まとめ

今回は、フリーランスの廃業の要因と対策、廃業時の手続きについてご紹介しました。

フリーランスという働き方が不安な人は、会社員に戻ることも選択肢の1つです。

ただ、収入が不安定なフリーランスですが、しっかり対策することで、仕事の受注を安定させることも十分可能です。

会社員であっても、収入アップや出世には努力は必要不可欠です。それは、フリーランスであっても同じこと。

フリーランスの場合は、スキルアップはもちろんエージェントや求人サービスの活用、セルフブランディングなど、幅広い視野で活動することが大切です。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

フリーランスと会社員の現役パラレルワーカー「こーへい」
こーへい
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
それではまた!!!
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