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サラリーマン時代は、住民税は給与天引きだったので、気にしていなかった人も多いのではないでしょうか?
一方で、フリーランスになると、住民税は、自分で納税しなければいけません。
フリーランスは、サラリーマンとは違い、納税タイミングが「年4回」になるため、想像以上に1回当たりの納税額が多く感じます。
また、自分で納税するため、納期を過ぎて延滞してしまうこともあります。
そこで今回は、フリーランスが知っておきたい住民税の基礎知識について解説します。
特に、サラリーマンからフリーランスに独立したばかりの人やこれから独立を考えている人は、いくつか注意点があるので、ぜひご覧ください。
住民税とは?
住民税とは「都道府県」と「市町村」に納める税金のことです。
所得割と均等割ってなに?
住民税の納税額は、「所得割」と「均等割」という2つの計算方法で算出した合計の金額です。
具体的には、以下の計算方法で算出されます。
所得割 | 課税所得×10% |
---|---|
均等割 | 都道府県:1,500円 市区町村:3,500円 復興特別税:1,000円(2024年まで) |
所得割は、前年の1月から12月までの課税所得に応じて決定されるため、所得が多いと住民税は多くなります。
ただ、所得税とは違うのは、住民税の税率は一律10%ということです。
また、均等割とは、上記の通り全国一律で設定された金額です。
現在は、東日本大震災の復興特別税が加算されて、6,000円が課税されています。
住民税が自治体によって違うって本当?
よく住んでいる地域で「住民税が違う」、「隣の市は大企業の工場があるから住民税が安い」なんて、聞いたことはありませんか?
これは、嘘ではありませんが、本当とも言えない情報です。
確かに、地方自治体はの裁量で所得割と均等割を増減できます。
しかし、現在、所得割の超過課税や均等割の追加課税を行っている地区町村は、限られています。
追加課税も税率で0.1%や年1,000円程度なので非常に少額です。
ですので、地域によって住民税には、ほとんど差はないと考えて問題ありません。
住民税の控除
住民税も所得税と同様に様々な控除が利用できます。利用できる控除は、以下のとおりです。
住民税の控除 | 条件 |
---|---|
基礎控除 | 33万円 全員 |
雑損控除 | 災害や盗難などの被害 |
医療費控除 | 医療費(10万円を超過した分) |
社会保険料控除 | 国民健康、国民年金などの保険料 |
小規模企業共済掛金控除 | 小規模企業共済・個人型確定拠出年の掛金 |
生命保険料控除 | 生命保険、個人年金、介護医療の保険料 |
地震保険料控除 | 地震保険などの損害保険料 |
障害者控除 | 申告者本人・家族が障害者と認定されている |
寄付金控除 | 国や地方公共団体、認定NPO法人などの寄付 |
寡婦(寡夫)控除 | 申告者本人が配偶者と離婚または死別した場合 |
勤労学生控除 | 申告者本人が勤労学生に該当する場合 |
配偶者控除 | 申告者本人に配偶者(控除対象配偶者)がいる場合 |
配偶者特別控除 | 申告者本人の所得金額が1000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円以上76万円未満の場合 |
扶養控除 | 扶養親族がいる場合 |
住民税で利用できる控除は、実は、所得税で利用できる控除と基本的に同じです。
違いは、実際に所得から差し引ける金額が違います。
ただ、住民税は、所得税の確定申告の情報を受けて地方自治体が計算するので、控除の種類は控除額について、特段気にする必要はありません。
所得税の確定申告について、詳しく知りたい方については、以下の記事をご覧ください。
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住民税の納税方法と支払方法
住民税を納税方法は、「普通徴収」と「特別徴収」の2つがあります。
普通徴収とは?
普通徴収とは、市町村区から送付させる「納税通知書」に基づき、窓口か口座引落しによって住民税を納税する方法です。
基本的に4回分割払いで「6月末」、「8月末」、「10月末」、「1月末」が納期となっています。
なお、住民税は一括払いも選択できます。一括払いの場合の納期は、6月末です。
特別徴収とは?
特別徴収とは、勤務先の給与から自動的に天引きされて納税する方法です。
会社員の多くは、この特別徴収で納税しています。
なお、勤務先以外に複業や副業で収入がある場合は、特別徴収を選択したままだと、勤務先にバレてしまいます!
基本的に、複業・副業は、会社に容認された上で行った方がよいのですが、会社にバレたくない、という方は、普通徴収に切り替えましょう!
近年は働き方改革の影響もあり、「副業」の許可が出ている会社も増えてきました。会社員をしながら別の仕事をする「複業」も増えてきました。パラレルワークという言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。しかし気になるのが、「副業[…]
住民税の支払方法
住民税の支払方法は、基本的に
- 金融機関の窓口
- コンビニ
- 銀行の口座振替
などがあります。
ただ、最近では「クレジットカード」や「キャッシュレスアプリ」で支払われる自治体も増えています。
フリーランスとして独立した人は注意!
サラリーマンからフリーランスに独立した人やこれから独立を考えている人は、普通徴収への切替時期に注意が必要です。
住民税を特別徴収されていた会社員の人が退職が決まったら、住民税の支払方法を選択しなければいけません。
ただ、退職時期によって、選択できる方法が違うので、比較して説明します。
退職時期が1月~4月 |
|
---|---|
退職時期が5月中 |
|
退職時期が6月~12月 |
|
サラリーマンからフリーランスに転向する際は、退職の際に一括で住民税を支払うケースがあるので、注意してください!
住民税は納税しないとどうなる?
住民税を納税しないと、「督促状」が届きます。督促状が届いた時点で、延滞金が発生しています。
延滞金は、納期の翌日から計算されるので、遅れると延滞金だけで、それなりの金額を徴収されてしまいます。
また、督促状を無視していると、「財政調査」が始まります。
勤務先や金融機関などに調査状が送られて、差押えが可能な財産があると判断された場合は、強制執行されます。
具体的には、以下の財産が差押えられることになります。
- 預貯金
- 給与
- 不動産
- 自動車
- 生命保険金
- 売掛金 など
住民税は、延滞しても最終的には、強制執行されるので、どうしても支払いが難しい場合は、自治体に相談してみてください。
住民税を節税する方法はあるの?
フリーランスが住民税を節税する方法はあるのでしょうか?
小規模企業共済・確定拠出年金
住民税の節税方法として、最も有効なのは、
- 確定拠出年金
- 小規模企業共済
の2つです。
小規模企業共済は、最高70,000円/月、確定拠出年金は、最高68,000円/月の掛金を全額所得控除できます。
つまり最高額1,656,000円の所得控除が受けられます。
具体的な節税額は、以下の表で確認してください。
(画像引用:掛金の全額所得控除による節税額一覧表|中小機構)
上記は、小規模企業共済のみの節税額なので、確定拠出年金の掛金も合わせると、もっと節税できます。
確定拠出年金や小規模企業共済について、詳しく知りたい人は、以下の記事で紹介しているので、興味がある人は、ぜひご覧ください。
この記事でわかること フリーランスの年金制度 老後の生活費はどのれくらい いますぐできる年金額を増やす方法 自分年金や老後資金をつくる方法フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディ[…]
ふるさと納税
ふるさと納税は知っていますか?
ふるさと納税とは、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付という形で納税できる制度です。
なので、節税ではありませんが、寄付した自治体からの「豪華な返礼品」をもらえることがふるさと納税の魅力です。
ふるさと納税について、まとめた記事もあるので、合わせてご覧ください!
この記事でわかること ふるさと納税制度の概要 ふるさと納税のメリット ふるさと納税の注意点 ふるさとの納税の計算方法フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ[…]
まとめ
フリーランスは、サラリーマンと違い、確定申告や住民税の納税も自分で行わなければいけません。
しっかり知識を身につけることも大切なことです!
最後まで、お読みいただきありがとうございました!