- フリーランスの年金制度
- 老後の生活費はどのれくらい
- いますぐできる年金額を増やす方法
- 自分年金や老後資金をつくる方法
フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。
会社員とフリーランスの現役パラレルワーカーの視点で、役立つ情報を分かりやすくご紹介します!
老後の生活や将来の年金、誰しもが不安を感じている問題ではないでしょうか。
特に、フリーランスと会社員では、将来もらえる年金額の差が大きく、「自分の老後は大丈夫なのか?」と、不安はつきません。
そこで今回は、フリーランスの老後不安を解消するために、年金制度の基礎知識や老後資金のつくり方についてご紹介します。
フリーランスが加入する国民年金は少ない
フリーランスや個人事業主は、国民年金に加入する必要があります。
国民年金は、収入に関係なく一律の保険料を支払い、加入期間の長さによって年金支給額が決定されてます。
国民年金の保険料
現在、国民年金の被保険者の1ヶ月当たりの保険料は、以下のとおりです。
国民年金の保険料(令和2年度) | 16,540円 |
---|
国民年金は、20歳から60歳までの40年間の加入が義務付けれています。
ちなみに、40年間の保険料総額は、以下のとおりです。
国民年金の保険料総額 | 7,939,200円 |
---|
国民年金に扶養家族の制度はない
ちなみに、会社員の配偶者が専業主婦・主夫の場合、扶養家族と認められて第3号被保険者になると、自己負担なし(無料)で国民年金に加入できます!
一方で、フリーランスの配偶者は、厚生年金に加入していなければ、国民年金への加入義務があり、世帯主が国民年金の保険料を納める義務があるため、2倍の保険料を支払うことになります。
国民年金の保険料の納付方法と割引
国民年金の保険料ですが、クジレットカードで納付できるって知っていましたか?
さらに、前納と言って「まとめて前払い」をすることで、割引される制度もあります。
以下は、令和2年度の納付方法と前納割引額です。
納付方法 | 1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 2年 |
---|---|---|---|---|
保険料 (割引額) | 保険料 (割引額) | 保険料 (割引額) | 保険料 (割引額) | |
納付書 | 16,540円 (-) | 98,430円 (810円) | 194,960円 (3,520円) | 383,210円 (14,590円) |
口座振替 | 16,540円 (-) | 98,110円 (1,130円) | 194,320円 (4,160円) | 381,960円 (15,840円) |
クレジットカード | 16,540円 (-) | 98,430円 (810円) | 194,960円 (3,520円) | 383,210円 (14,590円) |
割引額は1年、2年だと少額に思えますが、40年分で約58万円~63万円も割引されるので、バカにできない金額です。
国民年金の受給金額
国民年金の受給時の名称は、老齢基礎年金です。
老齢基礎年金の受給金額は、加入期間の長さに応じて変動します。以下は、保険料を40年間支払った時の受給金額です。
加入期間 | 受給金額 |
---|---|
40年間(480ヶ月) | 78万1,700円(満額) |
以上が、国民年金の保険料と受給額の概要です。
いかがですか?毎月65,000円、夫婦で130,000円の年金だけで生活できますか?
まず、無理だと思います。
ということで、次は、老後の生活費について見ていきます。
具体的な対策のために、実際に必要となるお金を知ることが大切です!
老後の生活費について
「老後資産2,000万円」とか、「老後2,000万円問題」という言葉を覚えていますか?
2019年6月3日に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書の内容が、日本中で大きく取り上げられました!
「老後資金2,000万円不足」といった誤解を招く表現がニュースやメディアの記事で取り上げられていたので、覚えている人も多いと思います。
とはいえ、老後資金が不足しない、ということでないので、結局のところ準備は必要です。
ざっくり試算してみると、
- 年金 :夫婦2人で毎月13万円
- 生活費:老後に必要な生活費は毎月26万円(家計調査報告より)
- 不足額:毎月の不足額は月13万円
23年間(276ヶ月)×13万円=3,588万円
ということで、かなりの不足が見込まれます。
そこで、重要なのが老後生活について計画的に資産をつくることです。
続いて、フリーランスの年金や老後資金をつくる方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
いますぐできる年金額を増やす方法
フリーランスの場合、国民年金だけでは、将来の老後資金への不安が残ります。
そこで、おすすめなのが、フリーランスや個人事業主が加入できる「付加年金」と「国民年金基金」の2つです。
なお、「付加年金」と「国民年金基金」は、両方に加入できないので、どちらが良いか選ぶ必要があります。
では、詳しく説明していきます。
付加年金
付加年金は、知らない人が多いのですが、実は、かなりお得な年金制度なのです!
付加年金とは、国民年金の保険料のプラスで月々400円の付加保険料を納めることで、将来の老齢基礎年金の受給額を増やすことができます。
付加年金に加入できる人
付加年金は、老齢基礎年金の受給額少ないフリーランスなどの第1号被保険者のための制度です。
そのため、会社員や公務員などの第2号被保険者は加入できません。
第1号被保険者であっても加入は条件があるので、以下をチェックしてください。
加入対象者 | 具体例 |
---|---|
国民年金第1号被保険者 |
|
任意加入被保険者 |
|
付加年金の保険料
付加年金の保険料 | 月400円 |
---|
20歳から60歳まで40年間の保険料総額は、「192,000円」です。
付加年金の受給額
付加年金の受給額 | 200円×付加年金保険料の納付月数 |
---|
付加年金の受給額は、満額の場合200円×480ヶ月=96,000円(年額)を受け取れます。つまり、2年間で支払った保険料の元が取れます。
フリーランスや個人事業主の方は、ほぼ確実に元が取れる付加年金への加入をおすすめします!
付加年金の加入期間
付加年金の加入期間 | 20歳から60歳までの40年間(480ヶ月) |
---|
付加年金は、過去にさかのぼって加入できないので注意してください。
なお、60歳までに480ヶ月の納付期間に満たない人は、国民年金の任意加入制度で65歳まで加入できます。その間は付加年金に加入できます。
付加年金の加入方法
付加年金は、市区町村の役所の窓口で申し込みできます。申込月から付加保険料を納付できます。
なお、付加保険料の納付をやめたい場合は、「付加保険料納付辞退申出書」を提出します。
国民年金基金
国民年金基金とは、フリーランスや個人事業主など、厚生年金に加入できない人が将来の年金額を増やすための制度です。
国民年金基金に加入できる人
国民年金基金は、老齢基礎年金の受給額少ないフリーランスなどの第1号被保険者のための制度です。
そのため、会社員や公務員などの第2号被保険者は加入できません。
第1号被保険者であっても加入は条件があるので、以下をチェックしてください。
加入対象者 | 具体例 |
---|---|
国民年金第1号被保険者 |
|
任意加入被保険者 |
|
国民年金基金の掛金
国民年金基金の掛金 | 月68,000円(上限) |
---|
国民年金基金の掛金は、
- 加入時の年齢・性別
- 「終身年金」A型・B型
- 「確定年金」Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅳ型・Ⅴ型
によって決定します。詳しくは、国民基金年金連合会のウェブサイトをご覧ください。
なお、国民年金基金は、途中解約はできないので、加入前に慎重に検討しましょう。
ちなみに掛金は、途中で口数を増減できるので、満額を払い続けなければいけない、ということはないので、安心してください。
国民年金基金の年金額
国民年金基金の年金額 | 加入期間×加入プラン×掛金によって異なる |
---|
国民年金基金は、納付した掛金の元を取るまで概算で20年以上かかります。ですので、85歳くらいまで長生きしないと、元は取れないのです。
では、なぜ加入をおすすめするのか?
それは、現役時代の税金に関係があります。実は、国民年金基金の掛金は、全額所得控除できるのです。
つまり、満額なら「816,000円」も所得控除できるので、税率が15%の人なら所得税を「122,400円」も節税できることになります。
フリーランスが自分年金や老後資金をつくる方法
フリーランスが老後資金をつくる方法は、既存の国民年金だけでなく、他にもお得な制度があります。
個人型確定拠出年金
確定拠出年金は、「iDeCo」のという名前で現在、周知されています。
iDeCoは、国民年金基金と同じく毎月の積立金を入れて、60歳以降に受け取れるもので、途中解約できません。
確定拠出年金の積立金
確定拠出年金の積立金 | 毎月5,000円~68,000円(1,000円単位で設定) |
---|
確定拠出年金の受給額
確定拠出年金の受給額 | 積立金を自ら運用することで増減 |
---|
iDeCOは、積立金を自分で運用(金融商品の売買)を行うことで、受給額が増減する仕組みです。
上手く運用することで、積立金を2倍、3倍にすることも可能です。もちろん、逆に積立金の元本割れというリスクもあります。
確定拠出年金のメリット
iDeCoは、国民年金と同じく税制上のメリットがあります。
- 積立金は、全額所得控除されるため、節税効果が高い
- 積立金の運用で得られた利益が非課税(通常20%の源泉徴収)
- 受取時も節税に有効な「退職所得控除」または「公的年金等掛金控除」の対象
小規模企業共済
小規模企業共済は、個人事業主や中小企業の役員等の退職金などの準備のために創設された制度です。
加入者が事業を廃止したり、退職により解約した時に、積立金に応じた共済金を受け取ることができます。
小規模企業共済のメリット
小規模企業共済のメリットは、次の5つです。
- 将来受け取る共済金は、掛金の納付期間に応じて最大120%相当額になる
- 掛金が全額所得控除できるので、退職金を貯めながら節税できる
- 退職時に受け取る共済金は、退職所得になるので税負担が軽い
- 月1,000円~70,000円(500円単位)で積立できる
- 資金繰りに困ったときに資金調達に手段として借入できる
フリーランスの年金まとめ
今回は、フリーランスの年金や老後資金の準備方法についてご紹介しました。
フリーランスは、社会保険や老後資金は不利と言われていますが、確定拠出年金や小規模企業共済など、税制上の優遇が大きい制度がたくさん用意されています。
つまり、制度を知っていればフリーランスが必ずしも不利とは言えない、ということです。
フリーランスは、法人の経営者と同じく、事業環境や将来のことを考えることも必要ではないでしょうか。
最後に、フリーランスなら知っておきたい知識系の記事をいくつかご紹介しますので、お時間があるときにぜひご覧ください。
フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。会社員とフリーランスの現役パラレルワーカーの視点で、役立つ情報を分かりやすくご紹介します![…]
フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。会社員とフリーランスの現役パラレルワーカーの視点で、役立つ情報を分かりやすくご紹介します![…]
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
それではまた!!!