2020年4月に、新型コロナウイルス感染症による政府の「緊急事態宣言」を受けて、図らずとも多くの会社員が「在宅勤務」をすることになりました。
慣れ親しんだ環境から在宅ワークへの移行に、当初は戸惑いの声も多かったようですが、実はテレワークの満足度は「予想外に高い」ことが判明しました。
今回は、コロナ禍で始まった在宅勤務・テレワークの満足度や実態について、クラウドソーシングサービス大手「クラウドワークス」の調査内容をもとに解説していきます。
【在宅勤務・テレワーク】ストレスの原因とは?
在宅勤務・テレワークの生産性
在宅勤務やテレワークについて、最も気になることは、「生産性」への影響です。
クラウドワークスの従業員への調査によると、テレワークによって「59.4%」の人が生産性が上がったと回答しています。
環境の変化よって、生産性については、悪い影響よりも多くの人が良い影響を受けていることが分かりました。
在宅勤務・テレワークのストレス
一方で、在宅勤務やテレワークでは、「ストレス」を感じる人が多いようです。
ストレスを感じる要因として、
- 時間管理が難しい(長時間労働になりやすい)
- コミュニケーション不足
- デジタル機器の使用方法
- 運動不足
などが考えられます。
これまで対面では、何となくで進んでいたことも、在宅勤務やテレワークでは、思うように進まず、想像以上にストレスが溜まってしまうようです。
在宅勤務では、時間のコントロールも重要です。
特に管理者が存在しないので、早朝でも深夜でも仕事ができてしまいます。
集中するあまり、気づいたら長時間労働になっていたり、ということも結構多いようです。
他にも、通勤がなくなり、自宅での自粛が続いているので、運動不足を痛感している人も多いと思います。
運動不足は、身体だけでなく、集中力やメンタルにも影響があると言われています。
家の中での筋トレやストレッチ、ウォーキングなど、意識的に体を動かす必要があります。
この記事でわかること 在宅・リモートワークで集中力をアップできるテクニックフリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。[…]
在宅勤務・テレワークのコミュニケーション
突然の在宅勤務・テレワークで、不満や不安に思っている人が多いのが、「コミュニケーション不足」です。
ストレスの要因は様々なですが、中でも不安や苛立ちなどの「心理的要因」を挙げている人が多いようです。
心理的要因の具体的なイメージとして、
- 雑談が減ることで、一人で考え込んでしまう
- 誰かに自分の仕事のフィードバックがもらえないため、自分の仕事を客観視できない
など、まさに「コミュニケーション不足」から生じていることが分かります。
クラウドワークスでは、このコミュニケーション不足への対策として、
- テキストコミュニケーションの推奨
- オンライン上での部活動の実施
によって、コミュニケーション不足の解消を図っているようです。
【在宅勤務・テレワーク】予想外の満足度の高さ
クラウドワークスの従業員の調査では、在宅勤務やテレワークへの満足度が高いことが分かります。
満足度が高い具体的な理由は次のとおりです。
- 自宅でのテレワークは集中しやすい
- ワーク・ライフバランスの向上
自宅でのテレワークは集中しやすい
特筆すべきは、在宅勤務やテレワークは、集中しやすいと回答した人が「84.8%」もいることです。
確かに、オフィスでは電話の受け答え、急に部下やメンバーに話しかけられるので、実は集中できていないことが多いと思います。
クラウドワークスは、もともとフルリモート勤務制度が浸透していた、ということもありますが、いずれにしても集中できる点は、生産性向上につながるので、非常に興味深い結果です。
これによって、多くの経営者やマネジメント層が抱いていた「仕事とプライベートが混在してしまう自宅では集中できない」という懸念が解消されてしまいました。
一方で、子育て世代においては、保育園の休園などで育児・家事をしながらの在宅勤務を余儀なくされた人も多くいます。
課題が多い在宅勤務・テレワークですが、今後、アフターコロナの社会では、
- 住環境の変化や居住地の変化
- テレワーク施設の地方展開
- 週休3日・成果主義
など、従来のライフスタイルとは全く違う世界が待っているのかもしれません。
ワーク・ライフバランスの向上
在宅勤務やテレワークは、集中力や生産性の向上だけでなく、「ワーク・ライフバランス」も向上したという声が多いと感じます。
具体的には、
- 通勤・取引先への移動時間の削減
- 非生産的な業務の効率化
などによって、これまでとは、比べ物にならないくらい、家族や子どもと過ごす時間や趣味・スキルアップの時間が捻出できるようになったのではないでしょうか?
ワークライフバランスという言葉が誕生して、何年経過したのか、もはや分かりませんが、期せずして「実現できてしまった」この状況を継続していきたいと思っている人が多いようです。
それには、会社のマネジメントスタイルや仕事の進め方、引いてはビジネスまで、変革しなければ、いけないのかもしれません。
在宅勤務・テレワークの設備・環境
一方で、クラウドワークスの調査によると、在宅勤務・テレワークの「設備面について不満」を持っている従業員が30%もいることが分かります。
設備については、
- パソコン・ネットワーク環境
- 作業環境(部屋・机・椅子など)
- ビデオ会議やカメラ・マイク
など、在宅勤務・テレワークで必要な設備が十分に整っていない人も多いようです。
1日や短時間であれば、多少の不便さは問題ありませんが、毎日のことなので仕事の環境・設備はかなり重要です。
今後、オフィス需要の変化によって、家賃の支払いや従業員の交通費の支払いが減ることも予想できます。
それらを従業員の環境・設備に投資する資金に充てる、といった会社も多くなりそうです。
なお、クラウドワークスでは、「テレワーク補助金2万円」を支給することによって、在宅勤務の環境・設備面の向上について対策を講じています。
まとめ
ビフォアーコロナやコロナ禍の当初は、「在宅勤務・テレワーク」に対して不安の声が多くあったと記憶しています。
ただ、蓋を開けてみると、当初の懸念や心配していたほどの影響は、ないということが調査により明らかになってきました。
逆に、新しい働き方に満足している人が多くということが判明しています。
そして、従業員の満足度だけでなく、会社にとって重要な生産性も大幅に向上しているので、元の働き方に戻るとは思えません。
むしろ、もとの働き方に戻った企業は従業員も離れていき衰退していくことも十分考えられます。
他にもテレワークの推進によって、働き方だけでなく別の影響もあったようです。
厚生労働省の2020年5月12日の発表によると、2020年4月の自殺者数が過去5年間で最も大きな減少幅
当初は、新型コロナウイルス感染症による自粛によって、経済難による自殺者数の増加が予想されていましたが、現時点では減少という結果になりました。
これは、外出自粛によって家族との時間の増加、職場の人間関係などに悩まされることが少なくなったことが要因であると言われています。
ただ、経済難による影響は、まさにこれからとも言われているので、予断は許されない状況が続いています。
世界を見ると、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)では、希望する従業員は今年の秋頃までテレワークを継続することが分かっています。
Twitterでは、永久に従業員にテレワークを許可する、という大胆な方針を発表しました。
今後は、アフターコロナの社会では在宅勤務やテレワークが当たり前の働き方になっていくことでしょう!
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