- フリーランスと健康保険の基礎知識
- 国民健康保険の保険料は高い
- 退職後に利用できる任意継続を活用
- 国民健康保険組合は活用しよう
フリーランス・複業・パラレルキャリア専門メディア「パラレルワーカーズ」を運営している「こーへい(@kohei_x_jp)」です。
会社員とフリーランスの現役パラレルワーカーの視点で、役立つ情報を分かりやすくご紹介します!
フリーランスとして独立するには、開業届の提出や青色申告の申請など、様々な手続きが必要です。
その中でも、国民年金や国民健康保険などの社会保険の切替は、必ず行わなければいけない手続きの一つです。
ところで、フリーランスになると、会社員時代では考えられないような「国民健康保険料」の高さに、ビックリしてしまった、なんて聞いたことありますよね・・・
さらに、国民健康保険の保険料は高いのに、会社員が加入している「健康保険」よりも保障が手薄というダブルパンチ!
ということで今回は、フリーランスの健康保険の基礎知識と保険料を安くする方法や保障を手厚くする方法をご紹介します。
フリーランスと健康保険の基礎知識
まずは、フリーランスと健康保険について概要とフリーランスが知っておきたい基礎知識を把握しておきましょう!
日本は、「国民皆保険」といって、すべての国民が健康保険に加入しなければいけない、「国民皆保険制度」を採用しています。
つまり、どんなに健康に自信があっても、健康保険からは逃げられない、ということです。
そして、フリーランスは、各市町村が運営している「国民健康保険」への加入が義務づけられています。
会社員は、全国健康保険協会「協会けんぽ」が運営している「健康保険」に加入しています。
フリーランス |
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会社員 |
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では、この「国民健康保険」と会社員が加入する「健康保険」に違いはあるのでしょうか?
違いについて、詳しく見ていきましょう!
国民健康保険と健康保険を保障内容で比較
フリーランスが加入する国民健康保険と会社員が加入する健康保険では、保障にかなりの差があります!
特に、フリーランスの方に気をつけたい欲しいのが、「傷病手当金」です。
傷病手当金とは、簡単に説明すると「休業補償」のことで、フリーランスや個人事業主は、対象外なので、注意が必要です。
国民健康保険と健康保険の比較表
他にも「出産」や「育児」に関連する給付についても差があります。詳しくは、以下の比較表をご覧ください。
フリーランス (国民健康保険) | 会社員 (健康保険) | |
医療費の自己負担割合 | 1~3割 | 1~3割 |
高額療養費制度 | あり | あり |
傷病手当金(休業補償) | なし | あり |
出産手当金 | 出産一時金 | 出産一時金+出産手当金 |
育児休業期間中の保険料免除 | なし | あり |
保険料負担 | 全額自己負担 | 労使折半 |
扶養制度 | なし | あり |
健康保険以外にもフリーランスと会社員には、収入や社会保険など、様々な違いあります。詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください!
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国民健康保険の保険料は高い?
フリーランスの方が気になるのは、やっぱり「国民健康保険」と「健康保険」でどれくらい保険料に差があるのか、ですよね?
一般的には、フリーランスは、保険料が全額自己負担になるので、総じて保険料の負担が大きくなります!
フリーランス (国民健康保険) | 会社員 (健康保険) | |
保険料負担 | 全額自己負担 | 労使折半 |
さらに、国民健康保険には、扶養制度がないため、家族(特に配偶者)が主婦・主夫の場合は、保険料を全額自己負担しなければなりません。
国民健康保険の保険料を大きく左右する要因は、以下のとおりです。
- 収入・所得
- 家族および家族の職業
- 居住地
フリーランスと会社員の健康保険料を比較
健康保険の保険料は、収入や所得、家族の人数や所得で異なります。
以下は、東京都世田谷区在住で39歳以下の方の事例です。(自治体によって金額が異なるので、自治体のホームページ等をご確認ください。)
計算式(年額) | |
フリーランス | 均等割:52,800円×加入者数 所得割:賦課基準額×9.43% |
会社員 | 標準報酬月額×9.87%×0.5(労使折半)×12ヶ月 |
では、実際に、保険料を試算した内容を比較してみましょう。
会社員:健康保険の場合
標準報酬月額41万円×9.87%×0.5×12ヶ月=242,802円/年
フリーランス:国民健康保険の場合
均等割:52,800円×2人=105,600円
所得割:300万円×9.43%=282,900円
合計:388,500円/年
上記のとおり、フリーランスは、家族の保険料の負担もしなければならず、保険料が高くなることが多いのです。
では、この保険料を安くする方法はないのでしょうか?詳しく解説していきます。
会社員の退職後に利用できる任意継続を活用
会社員からフリーランスとして独立したら、基本的に健康保険から国民健康保険に切替なければいけません。
個人事業主になったら、国民健康保険や国民年金に切り替える手続きを行う必要があります。手続きは、退職日の翌日から14日以内に、居住する市区町村役場で行う必要があります
一方で、会社員時代に加入していた健康保険を継続できる任意継続という制度があります。
任意継続のメリット
フリーランスが任意継続を利用するメリットは、以下のとおりです。
- 限度額があるので収入が高い人ほど保険料が安くなる
- 家族の扶養制度を引き続き利用できる
実際に、試算してみるとのその差は歴然です!
任意継続の場合(標準報酬月額は最高30万円)
標準報酬月額30万円×9.87%×0.5×12ヶ月=177,660円/年
フリーランス:国民健康保険の場合
均等割:52,800円×3人=158,400円
所得割:600万円×9.43%=565,800円
合計:724,200円/年
任意継続の注意点
では、そんな大きなメリットがある任意継続ですが、いくつか注意点があります。
- 任意継続の期間は最大2年間まで
- 退職した次の日から20日以内に手続き
- 一度でも保険料を支払わなかったら即脱退
- 退職前の社会保険の加入期間が継続2ヶ月以上必要
ということで、永遠にメリットを受けられるわけではないので、その他にも、何とか保険料を安くする方法を考えたいですよね?
はい、そこで、おすすめしたいのが国民健康保険組合です!
国民健康保険組合とは?
国民健康保険組合とは、同種の事業・業務の従事者を組合員として組織される組合です。
具体的には、
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 税理士
- 弁護士
- 美容師
- 建設業
など、地域と業種などで組織された組合が保険者となり、健康保険の運用を行っています。
国民健康保険組合のメリット
国民健康保険組合のメリットは、次のとおりです。
もちろん、すべての職業が対象ではありませんが、このサイトを見ているフリーランスの方に、おすすめの国民健康保険組合があります!
文芸美術国民健康保険組合(文芸美術国保)
国民健康保険組合の中で、フリーランスの方におすすめしたいのが、「文芸美術国民健康保険組合」です。
文芸美術国民健康保険組合は、「文芸・美術・映画・写真・編集」などのフリーランスが多く加盟しています。
もう少し、イメージしやすく具体例をあげると、以下のとおりです。
- デザイナー
- イラストレーター
- ライター
- カメラマン など
かなりイメージしやすくなったと思います!
文芸美術国民健康保険組合の保険料
文芸美術国民健康保険組合の保険料ですが、収入に関わらず一律ということが大きなメリットです。
保険料(令和2年度) | |
組合員 | 月額 19,900円 |
家族 | 月額 10,600円 |
介護保険料(40歳~64歳) | 月額 4,300円 |
ココがポイント!
まとめ
今回は、フリーランスが加入できる国民健康保険や会社員から独立するときにおすすめの方法などをご紹介しました。
中でも、デザイナーなどのクリエイターにおすすめいしたのが、文芸美術国民健康保険組合です!
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
それではまた!!!